🐰 「 .. うぅ、.. いでっ、」
腰をさする度にリュックサックに手が当たる。朝日が妙に眩しくて、眉間のあたりがこそばゆい。そんな朝を迎えた。
昨日は帰宅後、速攻ベッドにダイブした。疲労の理由が理由なもんで、母さんには部活で疲れたから寝る、と小さな嘘をついてしまった。.. まあこの場合、ついて良い嘘の方なんじゃないかと思う。そんなことを考えていると、後ろの方から足音が聞こえてきた。
🐣 「 .. ジョングガ!おはよ ~ 」
🐰 「 あ、ジミナ .. おはよ 」
背後から名前を呼ばれたと思えば、あっという間に肩に腕が回される。いつもなら飛びついてくるはずだけど、今日は違ったみたい。.. 正直安心した。こんな腰に強い刺激を加えられれば、近所迷惑な程に声が出てしまうだろうから。
🐣 「 お前昨日大丈夫だった?いやさ、保健室まで迎えに行ったんだけど 」
🐰 「 あ、大丈夫大丈夫 、ありがとな心配してくれて 」
流石親友。真っ先に心配してくれて、おまけに昨日迎えに来てくれたと、.. ん?待って
🐰 「 .. え、今迎えに来たっつった?」
そう再度確認すれば、平然とした顔で頷くジミナ。" でさぁ " と会話を切り出してきたため、前のめりになりながら話を聞く。
🐣 「 終礼始まる前の方がいいかなーと思ったから6限の授業終わった後保健室行ったんだよな、.. そしたら 」
🐰 「 .. そしたら .. ?」
🐣 「 先生が出てきて、あ、テヒョン先生ね 」
ということは額にキスされた後ってことか
🐣 「 ジョングガの様子でも見に行ってたのかなと思って声掛けたら 」
🐯 ( まあそんなとこだけど、今あいつのとこには行くな。寝てるから安静にさせとけ )
🐣 「 ..って言われてさ、だからそのままテヒョン先生と一緒に教室に戻って終礼してーみたいな 」
普段なら際どい発言をしてくるもんだから、またジミナに余計なことを言ったのではないかと案じたけれど、そんな心配は無用だったようで。ほっと一息つけば、再びジミナが口を開く
🐣 「 で教室まで戻る間色々話してたんだよな、お前のこと 」
🐰 「 .. え、なんて言ってた?」
🐣 「 え?.. うーん、なんかねぇ、.. 」
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🐣 ( ジョングガ、体調大丈夫ですかね?)
🐯 ( .. まあ安静にしとけば大丈夫だろ、明日腰痛めてくるだろうけど )
🐣 ( あれ、体育の時間あいつ腰やったんですか?あーでもぶっ倒れてたから全身痛めてそうだけど )
🐯 ( .. なのにさっき俺が散々追い討ちかけちまったんだよな )
🐣 ( え、先生ダメですよそんなことしちゃ、いくらジョングガだからってあいつも疲れてるんすから注意するにも程々にしないと、)
🐣 ( それにあいつ自身倒れたこと反省してるだろうし、それなのに追い討ちかけて叱られたらたまったもんじゃないですよ。あいつだって倒れたくて倒れたわけじゃないんですからね )
🐯 ( .. お前って意外と察しわりぃな )
🐣 ( は?どういう意味ですか )
🐯 ( あぁもういい 、明日の朝ジョングガに伝えとけ、昨日はヤリ過ぎた、悪かったって )
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🐣 「 .. というわけでさ、なんか知らないけど察し悪いとか言われて 」
🐣 「 あ、そうだ、先生がお前に謝ってたぞ?やり過ぎた、悪かったって 」
🐣 「 まあ先生も先生なりにさ、倒れたこと叱るのも生徒指導の一貫で必要だったんだろ 」
🐣 「 やり過ぎたってのは言い過ぎたってことだろうけど、先生も倒れた後に追い討ちかけるように叱ったこと後悔してるっぽいし 」
🐣 「 だからあんま気にすんな、ジョングガ 」
そう俺の肩をポンポンと叩いてくる親友。噛み合いそうで全く噛み合わない話を聞きながら、その場で居たら間違いなくヒヤヒヤしたことに違いない。ジミナがあんなにも別の意味で話を捉えられるだなんて、純粋なんだか天然なんだか。かつての察しの良さはどこへ行ったのやら。察しの良さにもオンオフがあることに驚きつつ、やはり先生は俺を困らせるのが好きなんだな、と改めて呆れる始末であった。
🐰 「 ほんとに、散々ヤられたからな、昨日は 」
🐣 「 先生の言葉責めって凄そうだしな ~ 国語の教員だし、言ってること的を得てたんじゃね?ねぇ、なんて叱られたの?ジョングガ 」
この様子なら、当分俺らの関係がバレることは無さそうだ。
next ♡×50
鈍感ジミン氏メインの回でした 🤤
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。