第29話

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2023/06/09 14:04
ガヤガヤと騒がしい教室に、無駄に長いチャイムが響く。そして聞き慣れたその音は、俺を含む全校生徒の耳にすぐに届いた。















🐣 「 あ、チャイム鳴った 」















そういうなり、"じゃ" と手を振って自分の席に戻るジミナ















俺は痛みの消えない腰を擦りながら、昨日のことをなるべく考えないように、大人しく先生を待っていた。変に意識してしまうと、恐らく何も手につかなくなってしまうだろうから。














ゆっくりとドアの開く音と同時に、珍しく眼鏡を掛けた先生が入ってくる















モブ♀ 「 うわぁ ッ !!テヒョン先生の眼鏡姿もかっこいいねっ! 」















モブ♀ 「 だねぇッ !!すっごい似合ってる!」















容姿のなりを少し変えただけでこの盛り上がり様だ。彼のちょっとした変化で黄色い歓声をすぐにあげるような世の中の女どもは、全員あの先生に惚れるのではないか?と彼女達の反応を見て思わない日はない。おそらくこの先もずっとだろう。















そう思って先生を見ていると、先生と目が合ってしまった。逸らすことも出来ず、固まったままでいると、ふんわりと微笑んでくる先生。















窓の隙間から差し込んでくる暖かい日差しに照らされながら、思わず息を呑んでしまった。先生のその姿は、眼鏡の有無関係なく、正真正銘、誰が見ても美しい。かっこよくて、‥ かっこよくて堪らない。目が合っただけで鼓動が早まり、分かりやすく目が泳ぐ。こんな少女漫画のヒロインのような状況に陥るということは、この瞬間、俺は間違いなく

























完全に、先生に惚れてしまった
























ということ。これはもう否めない。認めたくないという謎の意地が頑なに消えなかっただけで、本当はもう先生に惚れていたんだろうけど。なんなら昨日の行為で俺は先生に堕とされたんだろうけど。


































こうして俺たちの勝負は、引き分けになってしまった。


















































本日何度目かのチャイムが鳴り、気づけば6時間目。国語の授業の時間だ。















チャイムに少し遅れて、先生が教科書を抱えながら入ってくる。















日直の合図で俺たちは立ち、軽く会釈をしながら挨拶をすると















🐯 「 はい、席に着いてー 」















低音ボイスに指示された通りに、みんなゆっくりと席に着く。中には欠伸をする奴、速攻寝る体勢に入る奴も居る。6時間目だし、疲れがたまってそうなるのは無理もない。ただし女子に至っては、まるで今日1日頑張ったご褒美だとでも言うような顔で先生の顔をガン見している奴がほとんどだ。そんな中で、淡々と授業は行われていく。















🐯 「 じゃあここからここまで、解いてみろ 」















言われるがままに問題用紙に目を通すと、読解問題がずらっと並んでいる。















🐰 「 うっわ ‥ やる気出ねぇ ‥ 」















そう思いながらも頑張って練習問題に目を通していると、視界の端の方で前の方からゆっくりと先生がやってくるのが見えた。















それだけで俺の心臓はヒートアップ。先生のせいで俺の心臓はなんとも単純な心臓へと変化してしまった。昨日まではあんなに近くにいても、いや、昨日の場合近くというかもはや一体化してしまった場面もあったが。それでも昨日までは先生と目を合わせても、こんな風に心臓が鼓動を早めることもなかったし、変に緊張することもなかった。これが自覚することの恐ろしさなのだろうか。

























🐯 「 ‥ 解けるか 」















そう小声で俺に問い掛けてくる先生。すぐ目の前にいる。そう思えば思うほど顔を上げられない。















🐯 「 ん、どーした 」















そう言うなり、先生はゆっくりと屈んで、俺と目線の高さを合わせてきた。不意にされたその行動により、急に目の前に現れたその端正な顔は、俺のことを優しく見つめてくる。そんな顔されたら、、そんな顔されたら余計、、















🐰 「 見れなくなんだろーが、、、 」















蚊の鳴くような声でそう言うと、先生は一瞬目を見開き、俺の状況を察したのか口角を上げてニヤッと笑うと、胸ポケットに刺しているペンを持って、俺の問題用紙に何やら言葉を書き始めた。書き終わり際にくるっと紙を反転させてきたため、先生の様子を伺いながらゆっくりと文字を読む。




















🐰 「 ‥っ!?」
































あぁ、、忘れてた、、、













































" 昨日のこと、意識してんの? "





































" 変態生徒君 ㅎㅎ "









































この人
































ドSなんだった ___


















































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