少し歩くと後ろから
走って私を追いかけてくる3人の
足音が聞こえた。。
「今は追いかけて来ないで欲しかった。」
なんだか私もあぁやって腹が立ったはものの
大人気ない自分に情けなくなっていた。。
私が振り返ると3人がはーはー言いながら
立っていた。。
さっきの鬼ごっこは息上がってなかったのに…
そんなに私の鬼はしょぼいのか??
立ち直り早っ!!!!
というか仲直りって言葉
久々に聞いた。。。笑
あ、そこーーー????!!!!笑
いや、かわいいんだけどさ…笑
もうすべておっけーだよ!!
3人ともぺこーーって…
その気持ちがむしろ私の大人気なさを引き立たせて
いたたまれなくなってくる。。。(T_T)
あ、忘れてた←
マスクは汗でベチャベチャになっていた。
私はキャップを深くかぶり直し、
振り返りスタスタ歩き始めた。
たくみ君が私の隣に駆け寄ってきた。
なんか懐かしい感じがする。。。
……
うん、そうだ!
私が地元に置いてきた7年お付き合いしている恋人
彼に背格好がそっくりだ。
彼の隣を歩いてるみたい。
…もちろん顔は全っ然似てないけど笑
学生時代からずっと付き合ってて
友達のような…あまりベタベタしないのが
長く付き合っていても楽しいところだった。
あぁー…なんかちょっと忘れかけてたけど←
思い出したら会いたくなってきたなぁー…
わたしはつい彼のことを考えていた
なんだか3人の声は聞こえる気がするけど
ぼーっとしていた。
3人ともけらけら笑っている。
きっと私が今こうして
誰と仲良く過ごしていても
彼に聞かれることもないし、
話すこともなく、、、
ただ私たちはお互いを好きあっていて
その気持ちがあるから
「恋人」でいるんだと思ってた。
蓮君はまめちゃんにしーーって言ってる。
絶対あるじゃん。
今日体を動かして遊んで距離が縮まったのか
どんどんふてぶてしくなるわたし。。笑
家の前までたどり着き…
私は鍵を開け、
急いで部屋の中をざっと片した。
3人がぞろぞろ入ってくる。
蓮君そういうところえらいよね。。
お姉さん、尊敬します!
私は3人分のグラスを用意して、
お茶を注いで、3人の前に出した。
三者三様のリアクション。。
みんなお茶のCM来るよ!笑
時刻は10:00ちょっと過ぎ…
グラスは一瞬で空に。
これは仕方がない。。とでもいうように
3人ともゆったりと腰を上げた。
えぇー…
やだな…←
手を振りながら扉を閉めかけた時、
ふとあることに気づいて私は手を止めた。
3人は文字が浮かびそうな程
ぱぁーーーっと明るい笑顔を見せてくれた。
へへへ…と笑い合う私たち。
本当にありがとう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。