それから三浦さんとは社内でもよく話すようになって
私の心臓は以前にも増して、
三浦さんを見ると胸がドキドキ苦しくなっていった。
これが恋って気持ちだったっけ……って思ってしまう。
ぼーーっとしてたようだったけど、
私の顔をのぞき込む三浦さんの顔を見ると、
気持ちがきゅっと締め付けられた。
私のデスクによく来るようになった三浦さんは
それっぽい理由を持って、
途中から全然違う話をしてくれたりして、
私の会社生活を楽しいものにしてくれた。
最近三浦さんと退勤する時間が被る事が増え、
その度に飲みに連れて行ってもらったりしていた。
でもいつも10時前後には
「女の子をあんまり遅くまで連れ回すのは悪いから」
ってお開きにしてくれる。
女の子って、、、、、/////
今日も三浦さんと帰りの時間が被って
近くの居酒屋さんでお酒を飲む事になった。
もうここは馴染みの店になったみたい。笑
いつも通り三浦さんはずーっと笑い話をして、
それを聞いて私はずーっと笑っていた。
急にトーンが変わった三浦さんの声色。
私もなんだか気になって、
同じトーンで聞き返した。。。
仕事の悩みとかかな、、、、、?
意外な一言だった。。。
え、、、
三浦さんが私の事好きだなんて
想像したこともなかった。。。。
私はなんて返したらいいのか、、、
いや、、、、
「私もです」って答えるのが少々ためらわれた。
だってその時にただひたすら考えてたのは
拓実君や蓮君のことだったから。
私がここで答えてしまったら、
あの時の言葉はどうなるんだろう。
どこに消えてしまうんだろう。。。
三浦さんに名前を呼ばれ、
ようやくふっとこの場に私の気持ちが戻った。
正式に告白された。。。
ちょ、ちょっと待って欲しい、、、、
2人には先にちゃんと話さなきゃ悪い気がしたから。
私は今すぐにでも返事をしたいほど、
この人の前だと……初恋をしているような気持ちになってる自分に気付いてるよ。。。
でも、、、
私には自分だけの幸せ以上に大切な人を裏切ることは出来ない理由があるから。
そう言う三浦さんはまた爽やかに笑って、
その後もなにもなかったように、
私を笑わせる下らない話を続けた。
私もさっきのことが嘘だったかのような気持ちになり、
ひたすら三浦さんの話で笑っていた。
その日の帰り、
私は真っ直ぐJO1ハウスに向かって
まずは拓実君の部屋へ向かった。
「ピンポーン……」
拓実君は出てこなかった。
きっと仕事中なんだな、、、、
その後蓮君の部屋へ向かった。
「ピンポーン……」
あ、、蓮君はいた。←
蓮君は扉を開けて、
私が立っていることにびっくりしていた。
ってご機嫌な様子の蓮君は
私を部屋に招き入れてくれた。、
話し出しにくいな、、、、
でも言わなきゃ、、、、、、
優しい蓮君の声が、
私の話し出す勇気を削ぐ。。。
でもあなた!!!
ちゃんと言わなきゃ!!!!
なかなか本題に入れない。。。
私の異変に気付いたのか、
蓮君は少し焦っているように見える。。
言わなきゃ、、、
言わなきゃ、、、、、
いきなり本題を言っていた。
でもその時の自分には
その言葉を言うのが精一杯だった。
蓮君はなにも言わなかったけど、、、、
少しだけ切なそうな顔をしてるように見える。
でも蓮君は隠すのが上手いから、
私も蓮君が本当に切ない顔をしているのか、
確信を持つことは出来ない。
私が想像していたリアクションと違い、
蓮君はけたけた笑い出した。。。
私は口があんぐりしてしまった。。。。
なんだろ、、、この蓮君、、、、、
この状況でもすっごく余裕に見える。。。
どうして蓮君はそんな風に笑えるの??
私がもし蓮君ならショックを隠しきれないよ、、
蓮君に正されて私はとっさに答えた。
にっこり……顔とは裏腹に男らしい言葉を放った蓮君。
私は蓮君に改めて名前を呼ばれた。
そのまま部屋を出たけど、
蓮君は最後まで蓮君だった。。。
でも私は妙に違和感を感じて、、、
蓮君は「幸せになってね」じゃなくて
「楽しい恋してね」と言った。
蓮君がそう言ったってことが私にとっては、、、
なぜか、、、胸に引っかかるものがあった。
まるで幸せにするのはそいつじゃないって
遠まわしに言われてるように感じてしまうのは
私の自意識過剰なのか、、、、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!