そのまま全速力で自転車を走らせた。。。
後から考えたら青春映画かよって感じだけど、
私には自転車を漕ぐペダルにしか
今の悔しさをぶつける所がなかったから。
相変わらず涙は止まらなくて、
私の手と腕は涙を拭ってベチャベチャだ。
そのまま家の前に着いた。。。
「JO1の誰かに見られたら」なんて考え、
その時の私には思い浮かばなかった。。。
無造作に自転車を止め、自転車に鍵をかけた。
するとJO1ハウスの玄関が開いて、
中から蓮君1人出てきた。
あの恋愛が始まる時と、
終わる時どちらも
私は蓮君に会ってるね、、、、、
私がいるのに気づいた蓮君は一瞬笑顔になったけど、
私がボロボロに泣いているのを見て、
小走りで駆け寄ってくれた。
って焦った声で、
私の前まで来るとそのまま抱きしめられた。
この蓮君の抱きしめ方、、、、
私を慰める時の、
私が泣いた時のそれだ。
って手を握り、私を引っ張って歩き出した。
上の広場に着いて、
蓮君にベンチに座らされた。
私の恋を応援してくれたのに、、、、
蓮君にもみんなにも言えないと思った。。
ただ涙は相変わらず止まってくれなくて、、
蓮君の前なんだから
私の涙、、、、
どうか止まって、、、、、、、、
そうだよね、、、、
君たちが本当に優しい人たちなんだよ、、
蓮君の心配そうな優しい声、、、
そう言い終わるとまた余計に涙は溢れて、、、
これは自分のことだけじゃなくて、
蓮君達が送り出してくれたのに、
こんな事になって申し訳ない気持ちもあった。
私がぐすぐす涙を拭う中、
蓮君は私の名前を呼んだ。
その声に私も顔を上げて蓮君の方を向いた。
蓮君の「そいつ」なんて言葉
聞いたことなかった。。。
真面目な顔の蓮君から私は目を離せなくなった。
私はただただ頷いてしまった。。。。
色々言いたいことはあったよ。
自分も悪かったし、
一番の被害者は奥さんだから。。。
でも蓮君の真剣な目に刺されて、
思わず頷いた自分がいた。
私は涙で濡れている顔で蓮君に笑って見せた。
だって蓮君の顔、、、、
本当に怒ってるみたいで怖かったから。
こんな蓮君見たことないよ、、、、、、
すると蓮君は私をまた抱きしめてくれた。
って言いながら私は涙が溢れて、
うわーんって言いそうな勢いで泣いてしまった。。
って蓮君の優しい声が聞こえ、
私を抱きしめた蓮君はひたすら背中をさすってくれた。
多分30分くらいずっと泣いてたと思う。
そして蓮君はその間背中をさする手を止めること無く、
時々背中をポンポンしたりして、
ずっと子供みたいに泣く私から離れはしなかった。
少し落ち着き、、、
って私は蓮君の胸の中から離れた。
なんでか蓮君は自分を落ち着かせている様子だった。
蓮君の笑顔を見るのは、
今日玄関で見かけた時以来だった。
いや、、、
私……蓮君にはもう何でも話しちゃうよ、、、、
蓮君は黙ってしまった。。。
私は蓮君が怒ってるのを感じて、
また笑ってみせた。。。
「俺のあなたさん」って、、、、、
今「俺のあなたさん」って言ったよね!?💦
でもその蓮君の顔は本当に怒っていて、
私は笑って突っ込んだりも出来ずに、
ただ蓮君の顔を見ていた。
かと思うといきなり蓮君はいつもの蓮君に戻り、
急に笑い初めた。
ってお馴染みのあの笑い方してる。。。
蓮君、、、、
私今蓮君の感情についていけないよ💦
私は思った事が口走っていた。
すると私の頭をポンポンしながら、、、
ってけらけら笑ってくれた。
私は蓮君の調子に合わせて、
またみんなとたくさん過ごして、
楽しい時間を共有させてね、
という気持ちからそんな風に言った。
蓮君も元通りになったみたい。。。
さっきは怒ってる蓮君を見て、
どうしようかと思ったけど。
私はその日星を見上げる事はなく、
蓮君と話して「自分自身」というものを取り戻した。
そのまま蓮君と一緒に家へ戻った。
蓮君は帰り道、
ずーーっと私に明日目が腫れない方法を教えてくれて、
家に帰って私はそれらをひたすら試した。
明日も出社だし、、、、
毅然としていよう、、、、、
そう決意して眠りについた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!