蓮君の言葉が私を躊躇わせるものを拭い、
「次に三浦さんと話す機会があれば絶対返事をしよう」
と心の中で決めていた。
あの日から1週間ほど経ったある日の仕事終わり、、
帰る支度をしていると、、、
身支度の終わった三浦さんに声をかけられた。
告白された日から、
三浦さんの顔を直視出来ない自分がいる。
って「飲みに行こうよ」っていうジェスチャーのかわいい三浦さんの誘いを断る理由がない。
あの時の返事をしなきゃ、
拝啓
JO1の皆様
今日私はこの人とお付き合いする事になります。
今まで楽しい時間をありがとうございました。
歩きながら三浦さんは無邪気に私に話しかける。
私も笑顔で頷いた。
しばらく歩くと目当てのお店に着いたようで、
いつも行く気軽な居酒屋さんというよりは
少し落ち着いた雰囲気の和食屋さんのような風貌。
そのままその素敵なお店に入り、
生ビールで乾杯からスタートした。
三浦さんはあれからも変わりなく、
最近あった面白い話を私に止めどなく話してくれる。
「私も返事をしなきゃ」っていう事も忘れ、
三浦さんの話にずっと笑ってた。
ひとしきり話が盛り上がったところで……
あ、これが本題だった。。。
急にごもりはじめる私の口。。。
少し困ったように笑う三浦さんの
その優しくて明るい雰囲気に、、、
完全に私は心奪われていた。
とうとう言ってしまった、、、、
安堵したかのようにため息をついたかと思うと
少し静かな店内に三浦さんの歓喜の声が響きわたる。
そう焦って声のトーンを落とす三浦さんの姿は
私を笑わせるのに十分だった。
私はけらけら笑ってしまったけど、
急に三浦さんの真面目な視線を感じて、
私は視線を三浦さんに移した。
って真面目な顔で椅子に座りながら、
頭を下げる三浦さん。。。
私も頭を下げた。
なんだろ、、、このむずがゆい雰囲気、、、
でも私にも久々に春が来たんだ、、、、
そのまま10時近くまでまた笑いあって、
いつもの通り10時が過ぎた頃には
解散という雰囲気になった。
でもいつもとは違くて、、、
っと私の頭をポンポンしながら言われた。
私、、、大切にされるんだ、、、、、
私の頭はぽやーーっとしたまま、
家に帰ってもその時の三浦さんの顔、
そして温かい手の感覚がこびりついていた。
それから何度か仕事終わり2人でご飯を食べたり、
休日に出掛けたり、、、
普通の「恋人同士」という関係らしいことを
私たちは積み重ねて行った。
最近手を繋ぐ事も自然になっていた。
あ、もちろん会社では普通ですよ💡
社内でバレてしまうと私は
女性社員から袋叩きにあう可能性があるので……笑
今日は私が行った事ないからと、
休みの日に東京タワーに登ろうという話になり、
三浦さんの運転で東京タワーに向かっています。
私の家に迎えに来てもらうのは……
なんだか気が引けたから、
いつも待ち合わせは最寄りの駅。
三浦さんはいつでも私より早く来て待っててくれる。
私は三浦さんの車の扉を開けて声をかけた。
今日も爽やかな三浦さんの笑顔は
周りをぱぁーっと明るくする力を持っていると思う。
そのままドライブ開始で、
私たちは車内でもずっと下らない話で
けたけた笑ってうるさいほどだった。
東京タワーに着いた頃には、
少し日が落ちていて、
すごく雰囲気あるなぁ、、、、
2人で東京タワーの上に登った。
東京タワーから見る東京はとても綺麗で、
私はその夕日を浴びる街並みに心から感動した。
私は思わず心の声が漏れていた。。
三浦さんに呼ばれ、
私はふと三浦さんの方を向いた。
「ちゅ……」
一瞬の事過ぎて、、、、、
優しくゆっくり私に近づいてきた三浦さんは
周りに人がいるのもお構いなしに私にキスしてくれた。
私たちのファーストキスです。。。
三浦さんは我に返ったのか、
真っ赤な顔をしてそう言った。
私も顔から火が出そうだよ、、、、
そのままあそこがこーだとか
遠くの景色を見ながら2人で東京を見下ろした。
その日は美味しい定食屋さんに行って、
お酒を飲まず最寄り駅まで送ってもらって
三浦さんとはそこでお別れした。
キスしてしまった、、、、、
きゃーーーーーーーーー///
帰り道、歩きながら、
興奮する気持ちを抑えながら、
三浦さんとのキスを思い出さずにはいられなかった。
家にもうすぐ着くという所まで来て、
少し後ろからるっくんに声をかけられた。
その隣には、、、拓実君が、、、、、
蓮君から私の話聞いたのかな、、、、、、
少し心がきゅっと締め付けられる感覚。
少し早歩きで私に近づいてくる2人は、
楽しそうに笑顔でこちらに向かってきた。
笑顔の拓実君を見ると、、
たぶんまだ蓮君から何も聞いてない様子。
るっくんからまさかの衝撃発言💦
るっくんはケタケタ笑って話すけど、
私は恐る恐る拓実君の顔を見た。
って拓実君もケタケタ笑っていた。。。
私が考え過ぎだったんだな、、、、
拓実君はそんなに落ち込んではいない様子で
自分が変に心配していた事を恥じた。
また3人で歩き出し、
隣で楽しそうに聞いてくるるっくん。
その反対には拓実君も楽しそうに歩いている。
ってきゃわわな顔でるっくんにお願いしてるww
拓実君は元気そうにはしゃいでいる。
そのまま家の前で別れようと、、、
私が言いかけたところで、、、
ってるっくんはそそくさとその場を去った。
いや、、、もうあと何歩かで家だよ💦ww
自分で言って自分で笑ってるやんwww
ん??
みんなといる時はいっつも楽しいよ??
私たちは歩き出し、
当然すぐ私の部屋の扉の前に到着した。
私は拓実君の方を向いて笑って言った。
拓実君はそのまま笑顔で去っていった。
一瞬「んーーー」って言った時は
何か言いたげだったけど、
拓実君はそのまま去っていった。
拓実君に送ってもらって、
なにもなくお別れする事が
新鮮に感じる私は少し変なのかな、、、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!