第23話

6-3 イクミンとデート…?
24
2020/04/22 21:00
俺達は気まずい雰囲気を壊そうと、
予定を遅らせて夕方の特急列車に乗るまで自由行動をとる事にした。
モッチィ
モッチィ
エリック、一緒に紅茶を買いに行かない?
シセルが買ってくれるんですって!
シセル
シセル
誰が言うか!
…けど、皆さんには本当にお世話になりましたから、お好きなお土産を買わせてください。
ドラゴンを紹介してくれたグレンにも、一流のティーセットを買わなくては。
モッチィ
モッチィ
グレン、甘味は嫌いよ?
シセル
シセル
えっ!?
だから私が果物を隠し味に入れた料理は残したんですか!?
エリック
エリック
せっかくだけど、俺は2人と遊ぶ前にイクミンとデートをしたいんだ。
俺は離れた所でブヨルム邸を見つめているイクミン♀を見た。

2人は一瞬”ズルい!”という顔をしたが、目で会話をして頷いた。
モッチィ
モッチィ
イクミンをお願いね。
あの子、人生経験は長いけど子供っぽさが抜けないから…。
モッチィは俺のマフラーを直す。
シセル
シセル
私からもお願いします。
終わったら、4人で観光しましょう。
エリック
エリック
ああ、任せてくれ!
モッチィ…シセル…ごめん。

ボク、男の変身でもいいから巨乳スレンダー美少女と”金を払わず”デートしてみたいんだわ。

※ここから主人公は本来の”グレン”としてイクミンと対話しますが、着替えていないので”エリック”と表記します。
エリック
エリック
イクミン、”ボク”とデートしてくれないか?
イクミン♀
イクミン♀
えっ!?
我でいいのですか…?
意外な事に、イクミンは喜んで着いてきてくれた。

シセルとモッチィに手を振り、見えなくなると腕に抱きついてきた。

イクミンは初めての女装なのか、女性用下着を着けていないようで、柔らかい感触に焦ってしまう。

.。oO( 同じ髪色で身長差があるからか、店に立ち寄っても親子扱いされてるな…。)
エリック
エリック
イクミンも美術品が好きなんだな。化学式爆発魔法しか興味が無いと思っていたよ。
イクミン♀
イクミン♀
ムッ…!
心外です!我だって人間ですよ?
幼い頃は遊泳漫画家の勇者伝説を読み漁って、将来は遊泳漫画家になるんだ~!と周りに言いふらしてたんですから。

…しばらくして、サイ・トレイラーができることを親にバレて、1人で異国の学園に入学させられたんですけどね。」
イクミン自ら人気のない公園に誘い、途中で飲み物を買ってベンチに座った。
イクミン♀
イクミン♀
…シセルの母…アストラは、入学して初めての友達だったんです。

活発な彼女は大ジャパニカ帝国に仕える義賊の家系で、
運動が苦手だった我にコツを教えてもらう代わりに、我は食堂で魔法の術式を教えていました。
宝物を自慢する子供のように楽しそうに話してくれたイクミンだったが、
切ない顔でホットチョコレートのカップをベンチに置く。

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