~魔城 東~ (モッチィ目線)
いつもの身代わりになろうとするブショーと違い、真剣な顔で自爆しようとしていた。
シセルが自爆すると、防御魔法がかけられていない武器庫へ向って垂直にに穴ができた。
警報が鳴り、池にパンを落としたかのようにモンスターが群がる。
しかし、穴が深すぎて底が見えない為、モンスターには何も出来ない。
私はシセルを蘇生した後、全員に回復魔法を唱えた。
イクミンが低い声で私とシセルに”魔法の聖水”をくれた。
シセルが壁に蹴りを入れ、穴から私達が武器庫に侵入すると、背後で小石がパラパラと落ちてきた。
私が結界を貼ると、想定通り出口を埋められた。
ートントントン
シセルが白烏の槍を構えた瞬間、扉の向こうの敵の攻撃力を悟ってしまった。
私は防御魔法を唱えた。
瞬間、灰色の部屋が赤と黒に染まり…
”世”は、前世の記憶を取り戻した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!