玄関から少し入ったところにて──
リビングからセンラとしまくんが出てきた。
しまくんは黒いスウェットで、センラはハイネックの上にエプロンを着けている。
さかたんは納得がいっていないようだったが、うらたんに引っ張られて、しぶしぶリビングに入っていった。
しばらく歩くと、右の扉に赤い文字で入室禁止🈲と書かれた部屋があった。
センラ以外入れない部屋とは、いったい何があるんだろう。
もしかして、みんなにもそういう部屋があるのかな…?
しまくんはクスクス笑いながら私の頭を撫でた。
2階に自分の部屋があることは無かったので、ちょっとワクワクする。
きちんとしてそうな彼でも掃除できないときがあるってことは、よっぽど忙しいバイトでもしているのだろうか。
そうこう話しているうちに、私の部屋に着いた。
ガチャッ
目の前には、真っ白い壁とうすピンクのカーテンだったり、お洒落で可愛らしいベッドが見えて、まるでお姫様のお部屋みたいだ。
言うより先に、ふかふかのベッドに埋もれたいという欲求に負けて、ベッドに飛び込んだ。
そのときの私は、しまくんの顔が真っ赤になっていることに気づいていなかった。
あとがき
しまくん!やっぱイケメンだな~〓
次回ヒメさんよろしく!
それじゃ、おつりゅう!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。