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第8話

舘の秘密
269
2018/08/21 22:14
俺はふと目を覚ました。
結華
……。
喉が渇いたな…
確か水はあの食事会をした部屋に置いてある
んだっけ…
部屋から出て、暗く静かな通路を進む。
ほぼほぼ広い舘の中で迷子になり始める。
すると、途中であの双子兄妹に会う。
結華
あ…
少年
アレレ、何ヲ探シテルノ?
結華
喉が渇いたんだけど、食事会を
した部屋が見つからなくて…
少女
ア!ソレナラ私達ガ案内シテ
アゲルヨ!
少年
帰リモ部屋マデ案内シヨウヨ!
少女
ソウダネ!
そう言うと、双子は俺の1人ずつ片手を掴む
と引っ張り案内してくれた。
2人の案内でスグに目的地まで着いた。
少年
ハイ!ココダヨ!水ハアソコ!
結華
ありがと…
コップに水を注ぎ、一気に飲み干す。
その間、双子は部屋の中で追いかけっこを
仲良くしていた。
結華
…なぁ。
少女
ナァニ?
結華
君達の名前は…快と唯っていう
のか?
記事で見た名前を口にすると、双子の顔色が
明らかに変わった。
少年
…オ姉サン、何デ分カッタ?
少女
ソウダヨ、何処デ私達ノ名前ヲ
知ッタノ?
結華
この舘の中で新聞の切り抜きに
事件のことが書いてあった。
少年
……。
女子
快、モウ話シチャエバ?コノ舘
ノ秘密。
少年
マァ、唯ガ言ウナラ…
少女
エットネ、オ姉サン。今カラ私
達ガ話スコトハ絶対ニ執事サン
トメイドサン、ソシテオ姉サン
ノ仲間以外ニハ言ワナイデネ。
結華
ああ…分かった。
少年
コノ舘ノ秘密ハ”誰カガ迷イ込
ムマデ前ニ迷イ込ンダ人ハ外ニ
出ラレナイ”ッテコト。
結華
ん?じゃあ、お前らは誘拐じゃ
なくて迷い込んだのか?
少女
ウン、大雨ノ中快ト迷子ニナッ
タ時ニココニ辿リ着イタノ。
少年
ソレデ、一晩ダケ泊メテモラウ
コトニナッタケド一晩明ケタラ
外ニ出ラレナイ。舘ニイタ2人
は消エテイタッテ感ジ。
少女
イツノ間ニカモウ4年。ケド、
今回オ姉サン達ガ来タカラ2人
生贄ダヨ。
結華
そういうことか…
やっぱり、全員がハッピーエンドなんてある
わけなかった…
ミナ
へぇ、それが秘密だったんだ〜
部屋の入口に立っていたのはミナと湊。
その秘密はあの執事とメイドは
知っているのか?
少女
知ッテルヨ。主人ガ、ソロソロ
処分ノ時期ッテ言ッテイタカラ
ミンナ殺サレル。
少年
アノ人達ハ迷イ込ンダワケジャ
ナイカラ、出ヨウト思エバ出ル
コトハ出来ル。
結華
まとめれば、お前らは日が明け
たら執事とメイドを連れてこの
舘から逃げようって考えている
のか。俺達5人中、2人が犠牲
になって。
少年
ソウ!オ姉サン達ニハ悪イケド
僕達ダッテ両親ニ会イタイ。
さて、どうしたものか…5人中
この事を3人が知った。理紗と
ジュリを見殺しにして俺達3人
はこの子達と一緒に逃げるか?
ミナ
別にいいんじゃない?
結華
ああ…俺は幼馴染を生き返らせ
たいだけだ。他の奴は死んでも
どうでもいいさ。
じゃあ、決定だな。
少女
OK!朝ノ5時ニ、ココノ部屋ニ
来テネ!執事サントメイドサン
ニハ話シヲシテアルカラ!
少年
一緒ニ逃ゲヨ!!
ミナ
うん!
勿論だ。
結華
じゃあ、俺達が寝ていた部屋に
案内してもらっていいか?
少女
分カッタ!
双子に案内され、俺達は部屋の前まで戻る。
少年
ソレジャ、オヤスミ!
少女
オヤスミナサーイ!
そして、俺達は再び寝床へ着いた。

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