翌日の中休み、美桜ちゃんが眉を寄せて
私の手にしている雑誌を覗き込んだ。
月刊空手マガジンの表紙を
美桜ちゃんに見せると、
美桜ちゃんは呆れたように肩をすくめた
バタンと雑談を閉じて、美桜ちゃんに
手渡そうとすると、笑顔で
断られてしまった。
残念…
すると、美桜ちゃんが
顔をよせてきた。
目を輝かせて身を乗り出してきた
美桜ちゃんにタジタジになる。
美桜ちゃんの彼はうちの高校の3年生
陸上部でキャプテンをしている
凄くカッコいい先輩で
華やかな美桜ちゃんにメロメロだ。
んん?
5分で出来る彼氏って……??
そう伝えると、美桜ちゃんが
首をひねった。
そう言って美桜ちゃんは
口を尖らせた。
でも、先輩となんの話を
してたんだっけ?
……はて?
それを聞いた美桜ちゃんが
ピクリと眉を上げた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!