言う間もなく、神ちゃんはあたしの部屋へ入ってきた。
なんでみんな勝手に入るかな…って!
部屋めちゃめちゃ散らかってるんだった!
それ遠回しに『散らかってる』って言いたいんでしょ…
気遣わせちゃって申し訳ない…
あたしがそう言いかけた時、神ちゃんは無言で近づいてくる。
その瞬間、あたしは何かに足を引っ掛けてしまった。
あたしは転んだ。
神ちゃんに覆い被さる感じで…
あれ…足元には何も置いてなかったはずなのに…
あたしは何につまずいたんだろ…
我に返り、あたしが起き上がろうとすると、
そう言ってあたしの腕を掴む。
起き上がれなくなってしまった。
その時、ドアが開いて閉まる音がした。
あ…やばい…
これが…修羅場ってやつ?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!