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r18
リクエストです!
(レイプのお話になります。背後は決してレイプ犯罪を軽視しているわけではありません)
なにげウィンテン、いいと思います…
でも書きながら思ってたんですけどこれ、僕ね…
このおふたり存在が、細胞が異次元の綺麗さなので全く興奮しませんでした‼️神話書いてる感じ‼️神の戯れ‼️宗教画‼️あとウィンウィンはこんなことしない‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️自分で書いてて解釈違いだったもん‼️‼️‼️‼️‼️‼️
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あなたは知らない。
黒く渦巻く感情を、どれ程必死に抑え込んでいるか。
どれだけ純粋な振りをしているか。
ただのメンバーとして、弟として振る舞うのが限界か。
あなたは、気付いてない。
触れられるのが嫌なのは、理性を失わないためだということも。少しでもこの感情に対して素直になれば、貴方がどうなってしまうかも。あなたの言う“可愛くて綺麗な弟”は、本当は一つも可愛くなんてないことも。あなたの事を、“兄”として慕えなくなっていることも。
もう、限界だ。
全部全部、あなたのせい。
何も知らない、あなたが悪い。
* * * *
カチ、カチ、と時計の針が動く音が妙に耳を擽る。
いつもは聞こえない音がやけに鮮明に聞こえて、次第には心臓の音すら微かに耳の奥から響いてくる始末だ。手元にある本を読み始めてかれこれ二十分が経過しているのに、その時間と読み進めたページの枚数が全く比例していない。とはいえ、別に熟読しているわけではないのだ。集中しようとしても気が散ってしまって、重い溜息をつきながら本を置いた。
と共に、やってくる一つの足音。
気を散らす、全ての原因だ。
ノックも無しに開いた扉の向こうで、スウェットの半ズボンだけを履いたテンが顔を覗かせた。
「ウィンウィン〜」
呑気な声は柔らかい。
ちらりと目を向けると、目一杯に入る上裸。
こちらに歩いてくるたび、息をするたび、筋肉や肌が伸縮して生々しい。胸は平たいし筋肉の筋はちゃんとあるのに、どうしてか男らしさのあまりない綺麗な肉体に刻まれたタトゥーと重ねてつけられたネックレス。
目のやり場に困るように、ウィンウィンはそんな彼から目線を逸らしてスマホを手に取った。
「ノックして下さい」
「ん〜忘れてた、許して?」
「…なんの用ですか」
「ん?シャワー浴びなって言おうと思ったの」
テンは上機嫌にそう言うと、ボディクリームを片手に持ったままベッドに座った。鼻をくすぐるシャンプーの匂いが、ウィンウィンの隠れた欲を微かに掻き立てる。
「ベッド…」
「いいじゃん」
「あっちで塗ってください」
「いつもそんなこと言わないのに、え〜反抗期カワイイ〜」
白い液体を腕に塗りながらそう言うテンは、ウィンウィンの様子などまるで気にしない。それもそうだ、いつも他のメンバーがいる時にこの行動をされたとて怒ったりはしない。テンからすればおかしな話なのだ。
テンは彼が本気で怒っていないのだろうと、面白そうにウィンウィンの身体を指で突っついて笑っている。こっちの気も知らないでと、伝えたこともない事実を知らない彼に対する身勝手な苛立ちが頭を埋め尽くしていく。
これ以上何かをされると我慢が出来なくなりそうで、ウィンウィンは力任せに彼の手首を掴み上げた。
じゃら、と手首のアクセサリーが音を立てる。
驚いたように目を丸くするテンと、目が合ったまま動かない。
「部屋、出てってば」
「…なんで怒ってるの?」
「今機嫌が悪いから」
「テン何かした?」
「そうです、ヒョンのせい。ほら出て」
早々に話を切り上げて扉を指さすが、テンはあまり納得のいかない様子でベッドから腰を上げたまま部屋を出る素振りはない。あと数歩で身体がぶつかるような近さの中、テンはウィンウィンの顔を見上げて顔色を伺っている。
「ねえ、なんで怒ってるの?言ってくんなきゃヒョン分かんないよ」
「…………」
テンは申し訳ない、というよりも多少の疑問を抱いた表情を浮かべながらそう問いかけてくる。ウィンウィンはそんな彼を見下ろしたまま、黙った。
何故か。
理性の糸が、いとも簡単に切れそうだからだ。
彼に対して抱いた不純な気持ちを加速させた先にあるのはいいものではない。波打つこの慌ただしい感情を掻き混ぜられたくない。何も気付かず、知らない彼が酷く腹立たしくさえ思ってしまうのだ。そして彼の身体を酷く暴きたいと、そんな顔が見たいと脈打つ奥底の果てしない熱に。
ウィンウィンは、小さく息を吐いた。
「分からないでしょうね」
「…ごめん」
中国語でそう言うと、中国語で小さく謝ってきた。
頼りない声。不安の篭もる瞳がこちらを見上げる。
嫌味な言い方をしても、彼はそこから退くことはない。それはきっと彼が頑固なのではなくて、彼の怒っている姿とこの状況を理解するのに頭が追い付いていないのだ。自分が何をしたか、謝るために記憶を辿っていく。けれど何も怒るようなことをした覚えはなくて、尚更混乱を招くだけ。
ウィンウィンは静かな瞳で、彼を見下ろした。
「教えてあげましょうか?」
全部。
怒ってる理由。
全部全部、教えてあげようか。
「……、」
二人以外に誰もいないという状況が、決して超えてはならないラインを易々と超えさせようとしてくる。冷静な声に反して、バクバクと耳まで届く程の五月蝿い心臓の音。してはいけない。きっと後戻り出来なくなる。好きを通り越したこの黒い感情をぶつけたら、後悔する。傷付けてしまう。なのに。
この晒された白い身体を、ズボンの下に隠れた素肌を、手のひらで撫でながら酷く暴きたいと思うのは。傷付いた顔さえ見たいと思うのは。
全部、何も知らないあなたが悪い。
「ッ、……!!」
もう、どうにでもなればいい。
ウィンウィンは、力任せにテンの身体を押してベッドに転がした。
「っウィンウィン、」
名前を呼ぶ声を無視して、自分より幾分か小さい身体の上に馬乗りになった。倒れたその身体から自由を奪うために、両手首を頭の上で押さえつけて近くに置いてあったブランド品のバンダナで手首をキツく縛り上げていく。
「っ待って…!」
「俺が怒ってる理由知りたいんでしょ」
「重い、ねえ苦しい、っ離してよ」
まだ何をされるか理解していないから、どうせすぐ離してくれると思ってるから、本気で抵抗もしない。ウィンウィンが手を離すのを待つみたいに目を合わせてくるのが、彼が自分に対して持ちうる感情の全てだ。ただのメンバー、大事な可愛い弟、だからすぐに離してくれる。謝れば機嫌を直してくれる。
けれどそんな期待に、応えられるほど
軽くて浅い、気持ちじゃない。
ウィンウィンはテンの声を無視してズボンの中に手を差し込むと、半ば乱暴に脱がして床へ捨てた。下着のゴムにまで指をひっかけたところで、テンは酷く慌てたように足をばたつかせて縛られた腕でウィンウィンの肩を押すが、力の差など歴然だ。
「な、なにしてっ…離して…ごめん、そんな怒ってると思わなかったの、」
「いいですよ別に、もうどうでも」
「っお願いやめ、」
それ以上何も聞きたくない。
ウィンウィンは力づくで彼の身体をうつ伏せにすると、手のひらで強く口を押さえて声を封じた。
「ん、゛!ッふ、…ぅ、う゛、!」
「俺は何回も忠告したのに」
「っぐ、」
「ヒョンのせいですよ、全部全部、…あんたのせいだ」
片手で下着を無理矢理脱がせば、何一つ穢れのない白い肌が見えた。もう彼を覆う糸は一本もない。この身体が今から自分の好き勝手にされるのだと思うと、罪悪感や後悔より先にぞわりと身体中を這い廻る背徳感に襲われた。この人が今から痛がるのも、泣くのも、傷付くのも、あわよくば善がるのも、全部自分の行いによるものだと思うと。
ウィンウィンは整った顔を微かに歪めながら、はっ、と吐き捨てるような笑い声を零した。
彼が持ち込んだボディクリームの蓋を開けて彼の下半身に無造作に垂らせば、尻の割れ目から窄まった場所に流れ込んでいく。このくらいあればいいと、ボディクリームの容器の蓋を閉めずに枕元に置くとその尻に手を当てて指を滑り込ませた。くちゅ、と空気とクリームが混じって音を立てる。
「ッ、ふぅ゛…っ」
「大変だった…あなたの“弟”として接するのは」
まだ全く慣れもしていない後孔に指を押し入れた。
口を塞ぐ手を剥がそうとする彼の手に力が入って、ガリ、と肌を引っ掻いた。痛そうに裏返った声が聞こえて、同時に足をばたつかせてベッドシーツを足の指で蹴って痛みを逃がそうとしている。
テンは縛られた両手で何とか口元を塞ぐ彼の手を剥がすと、息苦しさから解放された声と共に痛みを訴える声がした。
「ッ、い゛や…!やめて、だめ、離して、…!」
暴れる身体を封じるように、片腕を彼の首に回して容赦なく指を根元まで後孔へ。キツく締め上げる後孔の中に余裕はないままだ。
「ッん゛、ッぅ…!痛い、っいた、ウィンウィン離して、お願い、ごめんなさい、ごめ、謝る、謝るからぁ、離して…!」
「…今更、」
テンの泣き声混じる言葉には眉を寄せるが、目の前で晒された身体を暴こうとする手は止まらない。指を包むこの腸内を奥まで犯したらどうなるか、限界まで彼を追い込んだらどうなるか、気になって仕方がなくて、この暴走する感情を止められなくて。
指を中でぐちゅ、と動かして掻き混ぜれば、ずるりと引き抜いてクリームを手に取った。潤滑剤代わりとはいえ、滑るとはいえ、こんなものが痛さを和らげるといったら否だ。
「っや゛、ぁ……だ、っごめんなさい、っ離して、いたい…」
「知らなかったでしょ、俺がこんなヤツだって…ね、ヒョン」
「う゛、〜、ッ、ぅ゛、……ぁ、」
テンの身体を仰向けに転がすと、涙に潤んだ瞳と目が合った。口で息を吸って吐きながら、そんな顔を見られたくなさそうに縛られた手で隠そうとする。それがなんだか癪で、手首を片手で掴んで頭上に戻しつつ後孔に咥えさせた指はゆっくりと動かしたまま。
「っ俺も、知らなかった」
「っふ、ぅ゛……っう…」
ぬぷ、と抜いた指に、微かに糸が引いた。
腸液とクリームが混じって、ほんの少しだけ後孔が緩くなる。全く反応を示さない彼の肉棒に対して、ウィンウィンは布の下で熱く硬く、彼の体内を犯す準備は満タンだ。
彼の充血した舌が覗くその口に、吸い込まれるように唇を合わせた。くちゅ、と唾液の混じる音がする。彼の薄い唇を覆うように唇を噛んで、歯をなぞって、彼の口内をこれでもかと、唾液が溢れるほどに堪能するみたいに。本当は、このくらい優しくしたい。こんな手荒にしたくないのに。
その気持ちと相反するように、彼の太ももを手で開いて脚の間に身体を倒した。
「ウィンウィン、っやだ、…もう、やめ、」
「ごめん…」
もう、無理だ。
後戻り出来ない。
ウィンウィンはテンの肩口に頭を寄せながら、片手でズボンの前を開けて下着を下ろした。解したとしても全く不十分な後孔に、迷わず肉棒の先を当てて、そっと腰を下ろそうとし。
「っい、゛やぁ、だ…ぁ…!」
上擦った声を無視して、彼の体を抱き込んだまま腰を下ろした。ずぷ、と先端を飲み込ませようと、半ば無理矢理に腰を進めていく。彼の腰を片手で固定して逃がさないように。
「っ抜いて、…はいん、ないっそんなの、…!」
泣きながらそう訴える彼が、唯一自由な足をばたつかせて腰を殴ってくる。けれどその力も弱々しくて、次第に縋り付くように腰へ脚を回してきた。震える吐息が耳に触れ、縛られたバンダナに擦れて赤くなった手首。
彼の小さい身体を押さえ込みながら、後孔に無理矢理押し入れるように腰を前に進めた。先端を飲み込むと、肉壁をどんどん割って入る肉棒は暴挙。容赦もない。
「い゛、たッ…ぃ、ねぇ、…もお、やめて、っおねがい、」
ずるりと根元まで飲み込んだ後孔は、体内を埋め尽くす異物の質量に悲鳴を上げるかのように締め付けてくる。
腰を引いて、突いて、ゆっくりそれを繰り返していれば、分泌され始める体液と入り交じったクリームがローション代わりになっているのか、少しだけ余裕が生まれた。と共に、襲い来る快感が体の中を駆け巡る。
テンはこの行為を受けているショックや痛みとその他の感覚に混乱したようにボロボロと涙を零しながら、ウィンウィンに止めさせようと縛られた手首で身体を押し返そうとする。
「だめ、だ、め、…こんなの、しちゃ、」
「分かってますよ…」
「っん゛ぁ、ッは、……ぁ、」
とちゅ、とゆっくり腹の中を暴き始めると、テンの力の入った声に少し脱力感が見えた。熱い腸内がうねって肉棒を奥に誘い込もうとするから、それに合わせて腰の律動を続けて腰を潰すように。ぐちゅ、とクリームが音を立てる。肌のぶつかる音にやがて水音が加わり、腰がスムーズに動き始めるのも早かった。
「ッふ、ぅ゛…っんぁ、ッは、…ぁ…」
耳元で聞こえる声は、泣き声の中に混じる快楽。
冷や汗か脂汗か、テンの額を濡らす汗を拭うように手のひらで撫でると、そのまま頭を手で抱き込んだ。下半身で行われる暴挙とは似つかわしくない程の優しい手つきは、ほんの少しだけテンの落ち着きを誘導したのか、強ばっている体から力を抜いた。
するりと手首を縛るバンダナを解くが、その手は力なく放り出され。
「ウィン、ウィン…っ」
「呼ばないで…ください」
酷いことをしてるのに。
まるで許された気分になるから。
「ん゛ぁ、ッ…ぅ、〜〜〜、っあ…!」
その声が聞きたくて仕方がない。
この感情が、心地良さが独り善がりなのは分かっていても、拭えぬ背徳感や優越感。そして、罪悪感。
ウィンウィンはごちゅ、と腰を突き上げて、腕の中にある身体を酷く強く、犯した。
「もぉ、や゛ッ…だ、やだ、…ぁ…!」
ウィンウィンはただ自分の感情に従って、動いた。
ごろりと彼の身体をまたうつ伏せにすると、両手首を掴んでベッドに押し付け、また肉棒を押し入れて間髪入れずに腰を一気に突き上げた。
「ッ、〜〜〜、ん゛ッ、……ぁ…!!」
「は、ぁ……」
この人は知らない。
このどす黒い感情が、どれだけのものか。
最初は単純な恋心だったのに、あなたが必要以上に他人と近付きすぎるから。
これはもう恋心じゃなくて、単なる独占欲だ。
加虐心さえ、ある。
二度と戻れない。
とてつもない馬鹿な行動を取っている。
傷付けて痛い思いをさせて、自分だけよくなるなんて。
「あ゛、ぁ…!っあ、ッはぁ、ん゛ぅ、…!」
顔がボコボコになるまで殴って欲しい。
殺してくれたっていい。
自分はそれだけの事をしてるんだから。
ああ、やらなきゃ良かった。
馬鹿だ。馬鹿だ。
でもどうせ、全部後の祭り。
「っ、ぁ゛……ッひ、ぁ、…!」
ゴリ、と当たる音。
ばちゅ、ごちゅ、と何度も絶えず奥を突き続ければ、テンはベッドシーツに顔を埋めたまま息の詰まったような声を出した。
ウィンウィンは腰を揺らしたまま、腕を引っ張ってテンの上体を起こした。半開きの口から垂れる涎が糸を引いて、涙の乗った睫毛はきらきらと光っている。
彼の細い腰に腕を回すと、強く身体を抱きしめて、一気に腰を突き上げた。肌のぶつかる音はより一層大きい。
「っ、は゛、ぁッ、〜〜〜〜、ッんぁ、゛、!」
「っふ、……」
煽られる絶頂感に、下唇を噛んだ。
テンは何か縋るものを欲して、ぺたぺたとベッドの柵を触った挙句、ぐるりと腰をねじってウィンウィンの首に腕を回した。半ば仰け反るように背中が反って、下半身を突き出すような体勢になるのも構わないで。
「あ゛、っぁ、〜ぁ、゛ッんぅ゛…!!」
「ヒョン…良くなってんの、」
微かに硬くなった彼の控えめな肉棒を手のひらで触ると、腰の動きに合わせて扱いた。とろりと溢れる我慢汁が、潤滑剤になって更に快感を呼び寄せていく。
「っぅ゛、……っ〜〜〜、ッん゛、!!」
ぢゅこ、ちゅこ、と手の中で扱けば、テンは身体を震わせて脚を内側に寄せた。
その様子に合わせて、ウィンウィンは容赦なく腰を突き上げて自分の感覚のままに身勝手な程の速さで中を暴いていく。彼の腰を掴み、髪を掴み。
そして、一気に。
「ッん゛、ぅ、!?」
最奥を突いて。
「ッん、゛ぐ、〜〜〜、ッ…!!」
中に果てた。
どく、と脈打つ肉棒が中で動く。
同時に絶頂したテンの肉棒から垂れる少しの精液は、ベッドシーツを汚した。
汗ばんだ身体が、息の上がる身体が、引っ付いているのに。
どっと押し寄せる後悔。
次第に冷めていく頭は、残酷なまでに現実を突き付ける。
「、っ……ごめん…、」
小さな声で、懺悔した。
体力が底を尽き、倒れ込むテンの身体を見下ろしたまま。
虚ろげな彼の瞳が、ゆっくりと射止める。
「ごめんなさい…………」
愛情を確かめ合う行為の中で起きたのは、
後悔と、亀裂。
二度と貼り合わせられぬ亀裂。
今更許しを乞うても
後の祭りだ。
あれから、二週間。
「っ、ん゛…ッ…ぁ、…そこ、ッぁ゛、ッいい、」
「ん………」
ぐちゅ、ばちゅ、と部屋に響く音。
むわりと体温の籠った部屋に、ベッドの上で蠢く影。枕元には既に使われた避妊具があちこちに捨てられ、乱雑に使われたティッシュが床に落ちていた。蓋が開いたままのローションと、既に空っぽになったコンドームの箱。そしてまだ未使用のコンドームがそばに。ギシ、と軋むベッドの音は止まない。
これでもかと引っ付いている裸体は、お互いを求めるように腕と脚を回したまま。腰を揺らすたびに嬌声が漏れて、その声を塞ぐように唇を貪って。
「あ、゛っ…は、ッ……ぁ、イく、っいッ……ぐ、」
どちゅ、と奥に果てると同時に、腹の上を飛んだ白濁液。既に色も薄く、量も少ない。
絶頂の直後で浮遊する意識の中で、引き寄せられるように口付けをした。唾液が溢れて伝うのも気にせずに、くちゅ、と何度も貪るみたいに。
テンの手が、ウィンウィンの髪を撫で、背中を撫でる。吐息と声を漏らしながら、舌を絡めて貪りあって。
ぽた、と垂れる汗がベッドシーツに染みた。
ちゅぱ、と口を離すと、繋がる糸。
テンは息を吐きながら、ふ、と口元に笑みを浮かべて。
「ね、…もっと、して…?」
彼らの関係は、
まだ、始まったばかりだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!