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好評につき続編です!ᵕ̈*
(この話のpart1は19話にあります)
何度も言いますが、雄味の強い男の喘ぎはモンスターズインクで言う子供の笑い声に匹敵するエネルギーです。
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メールの会話画面を見つめながら、着崩したスーツに皺が寄るのも気にせずにベッドに寝転がった。天井を見上げる目が、口角が上がると共に細くなる。口に銜えられている真新しい煙草が煙を舞い上がらせ、煙を吐きながら小さく笑い声を零した。
彼の頭の中は、お気に入りの“おもちゃ”でいっぱいだ。
何でも言いなりになる、素直で可愛くていじめがいのあるおもちゃ。あの日から何度も何度も身体に教え込んだから快楽を素直に受け入れるようになって、嘘もつけなくなって、女の子とも遊ばなくなった。躾って案外楽しいものだ。
けれど、一昨日。
女と歩いてるのを見た。
茶色くて長い巻き毛に薄いピンク色の服を着たあの女。わざとらしく作った虫の羽の音みたいな声も、ブラで無理矢理寄せた貧乳を腕に押付けてたのも、ケバい化粧で塗り固められた顔面も、思い出せば思い出すほど気色悪い。軽々しく自分の所有物に触りやがって。ぐちゃぐちゃになって死ねばいいのに。
酷く腹が立つ。
女に対しても、易々と隣を許す“おもちゃ”に対しても。
けれど女を探し出してどうこうするほど暇じゃないし、今回はその“おもちゃ”に分からせることにした。
躾って、そういうものでしょ。
8時を回り、針が10を指した頃。
カチャリと扉の鍵がした。
自然と耳が玄関の方を意識する。
扉を閉めて、靴を脱ぎながら荷物を置いて、こちらに向かってくる。
「…遅れた」
控えめな低い声と共に顔を出したのは、待ちわびたヘチャンのおもちゃだ。少ない荷物を床に下ろす彼は、遅れたくせに悪びれる様子もなく腰からはみ出したTシャツを整えながらチラリとヘチャンを一瞥している。伸びた髪は金色に脱色して、首にぶら下がるジャラジャラと大きめのアクセサリー。服装やら何やらと派手目な見た目は変わらない。
「遅刻じゃ〜ん、何してたの?」
「…別に何も、普通に」
「女と遊んでないよね?」
「は?」
「あの茶髪のブス、ヒョンの腕に胸押し付けまくってたけど興奮した?」
「……いつの話してんだよ…、」
眉間に皺を寄せながら話を聞くマークが、ヘチャンの言う女の話が随分前であると理解すると否定することなく呆れるようなため息と共に呟いた。ヘチャンが寝転ぶベッドの前でポケットに片手を入れ、もう片手にスマホを握ったまま興味のなさげな表情を浮かべている。
あれだけ躾けたはずなのにまだ懲りてないのか。というかまだ女に興奮出来るのが不思議だ。こっちまで疲れるくらい何日も何度も気絶するまで教え込んだはずなのに。
まだ、足りないか。
ヘチャンは身体を起こすと、スマホの画面に余所見をするマークの腕を容赦なく引っ張ってベッドに押し倒した。ほぼ叩き付けるような乱暴さだ。その拍子に手放したスマホは彼の置いた荷物の方へ蹴り、起き上がろうとするマークを逃がさんとするように馬乗りになりながら、指に摘んでいた煙草をベッド横の灰皿に押し付けた。
「マジ腹立つんだけど、我慢してたっつってたよね?」
「っ…知らな、」
「あ〜いいよ、どうせ今嘘ついても後で吐かせるし。その覚悟と余裕があるから俺んとこ来たんでしょ?」
ヘチャンは苛立ちを隠せぬ早口でそう言って、マークの上着を脱がした。大して抵抗もしない身体は容易く服を脱いでくれて、今からされる行為も当たり前のように受け止めるつもりだ。
ヘチャンはマークの腰を締めるベルトを外してオーバーサイズのズボンを脱がすと、身に纏う自分のスーツも床に脱ぎ捨てた。カッターシャツのボタンを片手で外しながら、身体を倒してマークの髪を掴みながら口付けをし。
「ッん、っぅ……っ」
甘いキスなどではない。
相手を食い尽くす勢いだ。相手の唇を噛み、舌で口内を犯し、溢れる唾液を口端に伝わせていく。
カッターシャツを脱ぎ捨てて自由になった両手でマークの手首を掴み、限界を知らせる術を尽く断ち切っていく。息がしたいのか口内が善くて限界なのか、顔を逸らしてキスから逃れようとするのを、ヘチャンは許さず続けた。
「ッ、ん゛…!!ん、゛っ、ぅ…〜〜!」
苦しげな声に混じる嬌声は聞き逃さない。
どんどん苦しそうな声が高くなっていくのを聞きながら、腰が上がっていくのを、彼の下着の中が膨れていくのを感じながら夢中で口付けをし続けた。
そして彼がもう限界、その寸前の所で。
「っ、はぁ゛、〜、ッ…ふ…ーっ……ふ、ぅ…」
「イきそうだったでしょ、キスだけなのに」
ヘチャンは底意地の悪そうな笑みを浮かべながら口元を拭うと、馬乗りになるのをやめて彼の脚の間に身体を割り込ませた。自然と開く形になる脚を軽く掴みながら、マークの股間を下着の上から触った。
「こんな興奮してさぁ…女と歩いて見栄張ってるけど、結局女じゃ満足出来ないもんね?」
下着を引っ張って脱がすと、熱を孕んだ彼の肉棒が顔を出した。どうせ使い物にもなってないくせに、女に突っ込んだところで満足出来てないくせに。アンタが使うのはそこじゃない。
ヘチャンは潤滑剤の代わりに軽く唾を吐くと、容赦なく彼の後孔に指を咥えさせた。しかし難なく飲み込む指、まだ余裕がありそうなほど動き、熱くうねる中はまるで女の性器だ。指を肉棒と勘違いして吸い付く様に、ヘチャンは口角を上げた。
「ゆるっゆるじゃん…」
「っ…ん…」
「何、期待してた?中ぐっちょぐちょなんだけど」
女の子みたいに。
早く挿れられたくて、酷く抱き潰されたくて、奥を突いて犯されたくて、期待して。じゅ、と溢れる腸液が中で糸を作ってねちゃ、と音を立てている。指で中を掻き回しながら、ヘチャンはマークの肉棒を握って扱いて亀頭を指で押さえた。ぶちゅぐちゅ、と音を立てる後孔は既に犯される準備が出来ているにも関わらず、ヘチャンは執拗く指で奥を掻き混ぜた。固く腫れた前立腺を狙うと、マークは喉から抜けるような声を漏らして腰を浮かす。
「ッふ、ぅ゛んッ、〜〜、っぁ゛、……!!」
「とんだド淫乱になっちゃってさ」
「ぁ゛、ッんぁ゛、…はぁ、…」
「俺に股開いて指突っ込まれて喘いで、ほら…こんなに俺のちんぽ欲しがってる」
ヘチャンはひくつく後孔を指で犯しながらそう言うと、一気にずるりと指を引き抜いた。三本の指に絡む腸液やら何やらが糸を引く。くぱ、と後孔が動くたびにちゅぷ、と微かに音が鳴る。
絶頂の寸前で指を引き抜かれると、浮いていた腰は大人しくベッドに戻っていく。あまりにも淫らだ。女を抱いてる姿なんて想像も出来なくなるくらい。
ヘチャンは手早くベルトを外すとズボンを脱いでベッド下に落とし、下着をずらして己の肉棒を出した。こんな彼の姿を見て興奮する自分も余っ程なのかもしれない。張り詰めた肉棒は先走りに光り、浮いた血管や充血した亀頭が、彼を犯そうとしてびくん、と動いている。
「ヒョンは俺の言いつけ守れなかった悪い子だから、またお仕置きしないとさ」
その肉棒をちゅ、と後孔に当てて、焦らすようにくちゃくちゃと濡れそぼる入口にキスをする。欲しくて欲しくて堪らないと期待するその後孔と同じように、マークは今にも腹を満たさんとするヘチャンの肉棒を待ちわびたように短い息を吐いている。
「いつもの、言って」
「…っう、…」
「ホラ早くさぁ…言いつけ破ったこと謝って、どこに何が欲しいか言いなって」
ヘチャンは少し冷たい目で見下ろした。
マークは上がった息を整えて喋る準備をするように唾を飲むと、ゆっくり自分の脚を持って開きながら。
充血した艶かしい唇を動かした。
「っ……我慢、っできなくて、…ごめ、なさい…」
「うんうん、で?」
「お、おれ…のっ…まんこに、」
ヘチャンの口角が次第に上がっていく。
と同時に、大きさを増す肉棒。
「ヘチャナ、のッ…ちんぽ、突っ込んで、ぐちゃぐちゃに…してください…」
「よく出来ました〜…じゃ、ご褒美」
真っ赤な顔で言い終えたマークに、ヘチャンは間髪入れずに肉棒を一気にナカへ押し込んだ。ばちゅっ、と肌がぶつかる音と、突然腹を満たす質量に苦しげに咳き込む声が聞こえた。
「っぅ゛、…〜、!?ッん、ッ……ぁ゛…!!」
「はぁ〜…うねってる…」
ヘチャンは快感に溶けるような声を漏らしながら、彼の様子を全く気にすることなく無理矢理乱暴に奥をこじ開けるみたいに腰を振った。ぐちゅん、ごちゅ、ばちゅ、と肌のぶつかる音、水音、ベッドの軋む音が、どんどんとこのセックスだけの世界へと誘ってくる。
空いた手はベッドに、ギリギリまで引き抜いて奥を突き、ともすれば早いピストンで中を虐め。
「は、ぁ゛ッん…〜〜〜、ッ…ぁ゛っあ、!」
「女なんか抱かなくたって、俺のとこに来ればトぶくらい気持ちよくしてあげんじゃん」
「ん゛ぅ、!ッふ、ッぅ…ぁ、あ゛、あ゛!」
「躾けられるの、だ〜い好きだもんね?」
ヘチャンはマークの頬に手を当ててそう言った。
瞳にハートが浮かぶような目をして、喘ぎ声の聞こえる口は喉の奥まで充血して。掴まれて乱れた金髪を撫でながら、ヘチャンは彼の額に口付けをした。
腰を揺らすのを止めて彼をうつ伏せにすれば、少しの休憩も与えずにベッドと板挟みにするように背中に乗っかって肌を寄せた。彼の頭をベッドシーツに押さえると、また釘を打つように腰を押し潰すように。ぶちゅっ、と中から体液が漏れた。
「ッ゛、〜〜、ッん、ぉ゛、ぁ…!」
ベッドシーツに掻き消える喘ぎ声がする。
頭を押し付ける手を離して腰を掴めば、絶えず奥を突いて彼を追い込んでいく。ばちゅ、ごちゅ、ごりゅ、と時折前立腺を擦る音を立てると、彼はベッドシーツに埋めていた顔を上げて上擦った声を漏らした。
ヘチャンは腰を振ったまま、肉棒を咥え込むマークの後孔に親指を入れて広げ。
「ぁ゛、!イ、ッん゛、…!!」
「知ってる?っヒョンのここさ、縦に割れてんの」
「ッふ、ぅ゛ッ〜〜〜っん゛ぅ、…!」
「ここまで完成したら、潮吹くのもいけるっしょ」
ヘチャンはそう言うと、肉棒を引き抜かずに腰を掴んで彼を膝立ちにさせた。所謂バックという体勢にすると、ヘチャンは片手で彼の尾骶骨辺りを擦りながらゆるゆると腰を振り、徐々に激しさを増し奥を突きあげた。
「っぁ゛、あ、〜ッあ、゛っあ、ッん゛ぁ゛…!」
「っ……あ〜…イきそ、」
「ッん゛、ぐッふ、ぅーッ…っう、ぐ、イぐ、っで、」
「俺と一緒に気持ちくなんないとダ〜メ…ほら、」
彼の肉棒の先を指で通せんぼすると、ヘチャンは自分の絶頂感のままに腰を振って腸内を擦った。ぶちゅ、ぐちゅ、ばちゅ、と絶え間ない音が聴覚までもを犯す感覚に、マークは耐えきれぬ快感に身体をビクビクと震わせ始めた。半分意識も上の空の中で、ヘチャンはどんどん腰を打ち付ける速さを高め、吐精感にぶるりと身体を震わせた。
そして。
どちゅん、と奥を突いて。
「っん゛、ぁッ〜〜〜〜……!!!」
ヘチャンが彼の肉棒から手を離すと、ぷしゃっ、と塞き止められていた潮がベッドを濡らした。と同時に、ドロドロとあまり勢いなく出る白濁液。
ヘチャンはゴムも無しに奥へ奥へと果てれば、吐き出すのと同時に腰を揺らして腸壁に擦り込んだ。腸が精液を吸い込めばやがて、彼は無意識に自分の精液を欲してどうしようもなくなる。人体の不思議だ。
「上手に出たじゃん…えらいえらい」
「は、ーッ……は、ッぅ……ふぅ…っ」
「いい子なんだからまだ出来るよね?約束破ったから言うことも聞かなくちゃ」
ヘチャンはそう言うと、軽く腕で汗を拭いつつ肉棒をずるりと引き抜いた。トロ、と溢れて出てくる精液に、くぱ、ぬちゃ、と音を立てて動く後孔。力尽きてベッドに倒れそうになるマークの腕を掴んで無理矢理起こすと、ヘチャンはベッドに寝転んで彼にジェスチャーした。
“跨がれ” と。
「ほら、早く〜」
「っ……ん、」
彼の意見など聞かない。
だっておもちゃだ。
可愛くて愛しいおもちゃ。おもちゃは所有者が絶対的権力を握る。おもちゃのマークに、何の権利もない。
マークはまだ快感の余韻が残ったまま、そっとヘチャンの腰を跨いだ。
「自分で挿れて自分で動いて?止まったら駄目だよ、イっても動くこと、いい?」
「っんな、…の、」
「だってお仕置きだし。言いつけ破ったヒョンが悪いじゃん」
ヘチャンの言葉にはぐうの音も出ない。
マークは乱れた金髪をそのままに、ベッドに手をついてそっと腰を下ろした。後孔はぷちゅ、と亀頭から飲み込み、難なく奥まで誘い込む。この体勢は否応なく根元までギッチリと入り込むから逃げ場もない。
マークはそのまま、言われたようにそっと腰を動かし始めた。顔にかかる金髪、喘ぐ度に動く唇。快楽に溺れてしまいそうになって少し顔を天井に向けながら。
「っん゛ぁ、…〜〜、ッ……ふー…」
「もっと早く動いてくんない?」
「っ…ま、てって、…無理、っ…」
「はー……」
ヘチャンは小さくため息をつくと、震えながら腰を止めてしまうマークを見つめた。ともすれば彼の腰を両手で掴み、伸ばしていた足を立てて腰を浮かした。行き着く先は彼の後孔。マークは油断していたらしく、下から腰を突き上げてくるその快感には詰まったような声を出した。
「ん゛ッ、〜〜、っぐ、…ぅ……!?」
「動けよ、おっそいな」
「あ゛ま、ッて、ッ…ぅッ無理、…!」
「とかいいつつビンビンじゃん…素直になりなって、どうせ嘘ついても終われないんだから」
ヘチャンは笑いながらそう言うと、マークの制止を求める声を無視して下から突き上げ続けた。体力がなくなっていくにつれて前に倒れてくるマークの身体を両腕で抱き締めて自由を奪うと、腰だけを動かして追い込んだ。筋肉があるのも力があるのもマークの方なのに、セックスになると全くその力が発揮されなくなる。可哀想に、女遊びがしたいのに男に散々抱かれて、挙句には抱かれないと気持ちよくならない身体になって。
「ッ…最っ高じゃんね…マーク…」
「っん゛、〜、ッ…!っぁ゛、あッ!」
肩口に顔を埋めて喘ぐ彼は、時々疲れて辛そうに息を吐いて弱々しい声を漏らしていた。ヘチャンはそんな事も気にせずにマークの髪を掴んで顔を起こすと、くちゅ、と優しめに口付けをし。
「ッふ、ぅ……んっぅ、゛……」
「ん……」
先程に出した精液が中で掻き立てられて、泡立って隙間から出てくる。ぶちゅ、ばちゅ、と腰をぶつけるたびに音がして、口を塞がれたままのマークは溺れるような切ない声で鳴いた。
口を離すと唾液が伸びて、マークの声が鮮明になる。ヘチャンはゆっくり腰を止めると、手のひらでマークの臀を叩いた。
「動け」
「っ、んぅ゛、……」
ゆっくりと身体を起こし、マークは言われたように腰を上げて下ろした。ばちゅ、ぐちゅ、と音を立てて、腰を上げると粘液が糸を引く。
「ん゛ぁ……、っ……は…」
「もっと早く」
ヘチャンがそう言うと、マークは言われたように早く腰を動かした。開きっぱなしの口から唾液が垂れて、ヘチャンの胸元に落ちる。こうなるともう彼は自分の意思を捨てて、ヘチャンの言うことだけを聞くようになるのだ。
これが、躾。
「ッふ、ん゛ぅッぐ、ッぅ゛〜、…!」
「ん〜、上手…」
「あ゛、…っん、ッあ、…ッ…はー、ッ…はぁ、…」
「休憩すんなって」
ヘチャンはマークが動きを止めるたび、下から突き上げて無理矢理動きを再開させた。
じゅぼ、じゅぶ、と中で体液が掻き立つ音が絶え間なく響く。無我夢中で腰を動かすマークを見上げるヘチャンは、快楽に少し息を吐きつつ口角を上げた。手を伸ばし、マークの口の中に指を入れて。
「ぇ゛ぐ、ッぅん゛ぅ…」
「上顎擦られるのいいんでしょ」
上顎を指の腹で擦ると、マークは目を細めながらぎゅっと後孔を締めた。肉棒を締め上げる後孔に、隙間が無くなって逃げ場を失った体液がぶちゅ、と音を立てて出てくる。
「んは、食いちぎられそ…」
「ん、ぅ゛ッ…ふー…ぅ…」
マークの口から指を引き抜けば、ヘチャンは腰を掴んでずるりと抜き取った。彼の後孔から糸を引く体液がぽた、とベッドシーツに落ちた。
「ねえ、舐めて」
一言、そう言えば。
彼は犬みたいに、膝立ちで後ろに下がって肉棒を口に咥え込む。動けと言わずとも、歯が当たらないように懸命に奉仕しながら肉棒を舐めて、まるで飼い主のご機嫌取りみたいに。何度も散々教え込んだから、きっとそこらの女や男よりも上手なんだろうな。
喉奥まで咥えこんで、舌で裏筋を舐めながら唾液で滑らせて。
「っは…かわい〜、…」
「ッん゛ふ、ッ…ぅ゛、」
可愛くて、可哀想なマーク。
「あ〜……出る、」
「ぅ゛、ッう、……ぅぐ、ッん゛、!」
マークの頭を掴むと、ヘチャンは彼の嘔吐く声も気にせずに腰を喉奥に突き上げた。ぐぽ、と奥で音がして、苦しげに涙を浮かべながら反射的に拒否しようと顔を動かすマークの髪を掴んだ。そのまま喉奥に、一滴たりとも吐き出させんとするように。
「っ……」
「ん゛、」
「飲んで」
喉が上下するまで、口から抜かずに眺めた。
けれどマークは反抗し、逃げるように顔を背けて口から引き抜いた。一気に鼻腔や口腔に入ってくる酸素に目を細めて咳き込むが、ヘチャンは腕を引っ張って彼の口を強く押え。
「んッぇ゛、ぅ」
「飲めって、ほら」
そういえば、ゴクリと素直に喉が上下した。
「見せて」
「…っあ……」
口を開けて舌を出し、飲んだことを確認させる。
てらてらと光る唇や舌が充血して赤い。
ヘチャンは機嫌を取り戻したように笑うと、マークを抱き寄せてクタクタになった身体を腕で包んだ。傷んだ金髪に顔を埋めて、未だ整いきっていない息を聞きながら。
「いい子…俺の言うこと、ちゃーんと聞くもんね」
「っ……」
「返事は?」
「ぅ、ん……」
かわいいかわいい、俺のおもちゃ。
ずっと俺のもの。
かわいそうにするのも、気持ちよくするのも、全部全部俺だけ。
ヘチャンはマークの頬に口付けをすると、腕を掴んでベッドに倒した。
「じゃあまだ、やれるでしょ?」
「ッ……ぇ、」
「気が飛ぶまでしてあげる」
だって、これは
俺のおもちゃなんだから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。