よく晴れた日の朝...真っ白な教会に2人はたどり着いていた
そこでキュウナは、見覚えのある後ろ姿を発見し思わず叫んだ
人影はくるりと振り向くと私を見ながらニッコリと微笑んでいた
やっぱり、先輩だった
でも先輩の服はいつもの制服ではなく、何故か真っ白なタキシードを着ていた
そして、私の服も制服で来た筈なのに、いつの間にか白くて綺麗なウエディングドレスに変わっていた
バッと後ろを見ると母さんがこっそりと私の元の学生服に妖術をかけていた...
でも、今日1番驚いたのは、何故先輩がこの場所にいるのか...という事だった
一方の、桂はキュウナの驚いた顔を見たあと
そしてニッコリと笑いながら「キュウナ、おいで」と大きく手を広げた
キュウナは、驚きのあまり泣いていた
泣きながら俺の腕の中に飛び込んできた
俺はぽつりぽつりと胸の内を話した後キュウナの顔が見えるように、少し屈んだ
キュウナの人間の姿の時の髪と同じ色...
ピンクと黄色のグラデーションが光る瞳には、まだ涙の雫が溜まっていた
俺はそれを優しく指で拭ってやると、
そっと抱きしめ呟いた
俺が最後の言葉を言おうとした時...
俺の唇に何か柔らかいものが触れた
それが何なのか、答えがわかるまで数秒かかった…
キュウナは、顔を赤くしながら桂に向かってそう叫んだ
突然のハプニング?でしばらくボーッとなっていた桂だが、ハッとなると言い返した
キュウナは、自信たっぷりに桂を指さしながら命じた
そして桂の「節穴じゃなーい!」という叫びが教会中に響くのだった...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!