第7話

婚姻の日...
34
2021/03/07 16:22
よく晴れた日の朝...真っ白な教会に2人はたどり着いていた
そこでキュウナは、見覚えのある後ろ姿を発見し思わず叫んだ
キュウナ
キュウナ
せ、先輩!?
人影はくるりと振り向くと私を見ながらニッコリと微笑んでいた
やっぱり、先輩だった
でも先輩の服はいつもの制服ではなく、何故か真っ白なタキシードを着ていた
そして、私の服も制服で来た筈なのに、いつの間にか白くて綺麗なウエディングドレスに変わっていた
バッと後ろを見ると母さんがこっそりと私の元の学生服に妖術ようじゅつをかけていた...
でも、今日1番驚いたのは、何故先輩がこの場所にいるのか...という事だった

一方の、桂はキュウナの驚いた顔を見たあと
そしてニッコリと笑いながら「キュウナ、おいで」と大きく手を広げた
キュウナは、驚きのあまり泣いていた
泣きながら俺の腕の中に飛び込んできた
キュウナ
キュウナ
ううう...せんぱぁ〜い...
桂
ごめんな、キュウナ...
こんな俺じゃ嫌だろうけど、他のやつにキュウナを取られるのは嫌なんだ...
こんな形で一緒になることになって...
本当にごめんな...
俺はぽつりぽつりと胸の内を話した後キュウナの顔が見えるように、少しかがんだ
キュウナの人間の姿の時の髪と同じ色...
ピンクと黄色のグラデーションが光る瞳には、まだ涙の雫が溜まっていた
俺はそれを優しく指で拭ってやると、
そっと抱きしめ呟いた
桂
本当に俺と結婚するのが嫌なら突き飛ばして逃げてもいい...
それでキュウナの気持ちが知れたなら...俺は...っ!?
俺が最後の言葉を言おうとした時...
俺の唇に何か柔らかいものが触れた
それが何なのか、答えがわかるまで数秒かかった…
キュウナ
キュウナ
っ...
先輩はおばかです...
超絶おばかさんです!
だからずうっとメガネなんですよ!
キュウナは、顔を赤くしながら桂に向かってそう叫んだ
突然のハプニング?でしばらくボーッとなっていた桂だが、ハッとなると言い返した
桂
いや、おバカって...
急に小学校低学年が使うような悪口を高校生が使うなっ!ていうか、メガネは関係ねぇっ!何が言いたいんだよ!
キュウナ
キュウナ
そぉんなに知りたいんならぁ...
教えてあげてもぉ、
いいんですけどぉ?
桂
(地味に上から目線で腹立つな...)
キュウナ
キュウナ
とりあえず、何が言いたいかは後で話します...その鈍感な節穴メガネをしっかり磨いてくるように!
キュウナは、自信たっぷりに桂を指さしながら命じた
そして桂の「節穴じゃなーい!」という叫びが教会中に響くのだった...

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