第5話

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2018/10/17 12:30
逆巻家にある手紙が届いた。

差出人は神無月家から



ーーーーーー


逆巻家には代々世話になった。

今度こそお前達を殺す。


ーーーーーー


という内容だった。


その手紙の裏には



ーーーーーー


ちなみにお前達の姫は邪魔だ。

すぐに消してやる。


ーーーーーー



と書かれていた。
ライト
姫ってエム猫ちゃん?それともユナ?
アヤト
…どっちだ
スバル
今日から2人に護衛をつけよう
レイジ
そうですね
次の日、家でお茶をしていた時だった。
ユナ
これ、新しい茶葉で作ったの
ユイ
へー、どんな茶葉ですか?
ユナ
香りがすごく甘いの
ユイ
…ほんとだ!
ユイは紅茶を飲んで美味しいと言う。


ユナは良かったと言い、自分も紅茶を飲んだ。
ユナ
ほんとに美味し……?
ユイ
どうしました?
ユナ
ぁ……
ユイ
へ?
ユナ
う゛ぁ゛
ガシャンッ


ユナは急に苦しみ出して、紅茶を落とした。


椅子から滑り落ちるように倒れ込み、喉と胸元を抑えている。
ユイ
ユナさん?!
ユナ
…た、す…け
呼吸音が弱々しくなっていく。


顔も青白く、手足は麻痺している。
ユイ
誰か!
レイジ
ユナ?!
ユナ
こ、れ…どっ!
レイジ
毒ですね?!
コクリと力なく頷くと、ユナはゆっくりと目を閉じた。


この毒は、神無月家が仕向けたものだった。


1週間後に目を覚ましたユナは衰弱しきっていた。
ユナ
はあ、はあ、
ユイ
ユナさん…
苦しそうに息をするユナは常に朦朧とする意識の中、必死に命を繋いでいた。


だけど、次発作があれば確実に死んでしまうと予想される。


どうか落ち着くまで発作が起きませんように。


それが、今の逆巻家たちの願いだった。

だけど、そんな願いも虚しく…
ユナ
…っ、
レイジ
くそっ!まずい、発作!
ユナ
ゴホッゴホッ
酸素マスクが一瞬にして赤にそまる。


震える手で酸素マスクを外し、体を横に向けて血を吐く。
ユナ
うっ…ゲホッ…ゴボッ!
アヤト
ユナ!
ライト
ユナ!
レイジ
ユナ!
みんなが呼んでる。

声が出せない
ユナ
み、んな…ゴホッ
ユナ
ゴポッ…コポコポ
大量の血が口から溢れた。


ユナは目を閉じ、ぐったりとしている。
ライト
ユナ?
ユナ
……
返事はない


脈を測ると、動いていない。


呼吸もしていない


手も、冷たい

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