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第1話

1,134
2021/02/23 09:47
貴方side
小瀧望
小瀧望
……あれ?あなた?
あなた

……あ、のんちゃん。

大きな高校の門の前。
大きな桜の木の下で入学式と書かれた看板を
横目に見ていたら…
小瀧望
小瀧望
……卒業式ぶりやなー!
って
私の横に立つ幼馴染の小瀧望こと「のんちゃん。」

春、私たちは晴れて第1志望の高校に入学できて
今日から新しい3年間が始まる。
あなた

……ねぇ、身長伸びた?

小瀧望
小瀧望
うわ、やっぱり?
どうせすぐ伸びるから〜!って
大きめに作ったんやけど
今ちょうどええねん。
卒業式からさほど経っていないのに
身長が伸びたのんちゃん。
…ちょっと不満そう。
小瀧望
小瀧望
……あ、クラス張り出されたって。
行こうや。
あなた

うん。

小さい頃からの慣れで
私の手を取り昇降口前まで歩くのんちゃん。
周りから見たらカップルだって思われても
おかしくない。


私はのんちゃんより身長が低いから
のんちゃんに見てもらう。

私はのんちゃんと同じクラスかな。
新しい友達出来るかな。

なんて思ってたら……
重岡大毅
重岡大毅
…えっ!?
小瀧やん!!小瀧!!
お前、受かったんなら教えろやっ!!
私たちの目の前に現れたのんちゃんの
お友達らしき人。
私はもちろん、知らない人。

彼はのんちゃんの頭をずっと攻撃してたり
肩をばんばん何度も叩いてる。

でものんちゃんは顔はダルそうにしてるけど
何故か嬉しそうにニヤついていた。
小瀧望
小瀧望
…しげのこと驚かそうと思って
黙っといたんじゃ!!笑
重岡大毅
重岡大毅
いらん事すなよ!!
お前、あれやで?
俺もう先輩やからな!
しげ先輩って呼べ!!
そして敬語を使え!!
小瀧望
小瀧望
ならもう少し
先輩らしくしてくれへん?笑
それにしげに敬語は嫌やわ笑
重岡大毅
重岡大毅
はぁ!?
こんな入学式最初から
後輩気にかける優しい先輩なんて
おらんやろ!!
なぁ!!
急にのんちゃんから私に視線を変えて
白い歯を見せて笑う。
小瀧望
小瀧望
ほれ、見ぃ〜!
しげの歯多すぎて
あなたびっくりしとるやん!笑笑
後輩いびりやめぃや笑笑
重岡大毅
重岡大毅
何でや!!
ポンポン進む会話に全くついていけない。

分かったのはこの彼が「しげ先輩」って事くらい。

新入生案内人という札を掲げた先生が
近付いてきた。

先生「重岡!!お前何してるんや!!」

怒られたのは言うまでもない。
周りの新入生も在校生もこっちを見てるのが
分かった。
重岡大毅
重岡大毅
絡んだんちゃいますって!笑
…ってやば!!遅刻する!!
また後でな!!
風のように過ぎ去って行った「しげ先輩。」
小瀧望
小瀧望
…俺らも行こか。
同じクラスやったで!笑笑
あなた

本当!!
よかった〜。笑笑



のんちゃんに負けないくらいの太い眉毛。
笑うと目立つ白い歯と目の下にできる特徴的な笑窪。
顔には似合わない、可愛らしい声。

「しげ先輩」
これが私が初めて思ったしげ先輩の第一印象。





























今度は、聞きたいな。
あの時先輩が思った私の第一印象について。

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