第12話

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2021/03/06 04:10
貴方side
退屈すぎる夏休みが明けて
あっという間にまた二学期が始まる今日。
重岡大毅
重岡大毅
お!久しぶりやん!
あなた

先輩。こんにちは!

重岡大毅
重岡大毅
ふは。
こんにちはー!笑
夏休み明けの学校で
久しぶりに見かけた先輩は
なんとなく少し肌が焼けてる気がした。
重岡大毅
重岡大毅
夏休みは満喫したん?
あなた

…いや、退屈でしたよ!
本当に先輩お兄ちゃんを
借りていくんですもん!笑

重岡大毅
重岡大毅
ふはははは!
悪ぃ悪ぃ!!笑笑
文化祭の打ち合わせでな?
ちょっと集まりが多かったんよ。笑
あなた

…文化祭。

重岡大毅
重岡大毅
せやで〜!
文化祭!
夏休みが終われば
直ぐに文化祭やからな〜!
先輩と話すのが久しぶりだから
少し緊張する。

「文化祭」

ってことは軽音部はパフォーマンスするのかな。
重岡大毅
重岡大毅
……なぁ、
俺夏休み中に誕生日あったんよ。
あなた

え、おめでとうございます!

重岡大毅
重岡大毅
レモンソーダー飲みたい。
レモンソーダー。
親切に自販機に並ぶレモンソーダーを
先輩はニコニコと指さすから
素直にお金を入れてボタンを押した。
あなた

…お誕生日おめでとうございます。

改めてお祝いの言葉を添えて渡せば
重岡大毅
重岡大毅
おおきになー!あなたちゃん!!
久しぶりに話せたと
久しぶりに会えたと舞い上がっていたのは
自分だけなんだなと思うと
少し寂しくて
あなた

…じゃあ、私はこれで。
さようなら。

ぺこりと頭を下げて
目の前の自分の下駄箱へと足を進めた。
重岡大毅
重岡大毅
ちょい、待てって!
先輩の声に振り向けば
飛んできたものを咄嗟に受け取る。

ひんやり冷たいりんごジュース。
重岡大毅
重岡大毅
…あなたちゃん。
気ぃつけて帰るんやで!
今日も神ちゃん借りまーす!!
あなた

あの、これ、お金って!

重岡大毅
重岡大毅
後輩には奢らせへんよ〜!
ほんじゃあな!!
ニヤリと笑う先輩はそのまま階段を上がって行った。

手元のりんごジュースは
私みたいに汗をかいていた。

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