第7話

732
2021/03/04 03:10
貴方side
昨日の出来事から1夜明け
今は中間先生の英語の授業中。

窓側の私は時々グラウンドで体育をやっている
男子たちを見てたりする。

今日はどこのクラスかなって
シャーペンを持ったまま外を見れば
楽しそうにハードルをやっている男子たち。

ジャージの色が私たち1年生と違うから
きっと先輩。

智にぃやしげ先輩の2年生は紺色。
私たちは赤色。

外で体育をやっている人達のジャージの色は
紺色だから2年生。

先輩はいるかな?
智にぃいるかな?

なんて思いながら外を見れば
神山智洋
神山智洋
しげほんまにやめて!!
重岡大毅
重岡大毅
神ちゃん!
神ちゃん!
神ちゃん!
ハードルの列に並んでふざけあっている先輩と
智にぃ。
小瀧望
小瀧望
……おぉ、お兄ちゃんやん。
あ、しげも。笑笑
相変わらず変なことしてんな笑笑
あなた

…うん。

あ、次しげ先輩の番だ。

先生の合図で走り出すしげ先輩。
ハードルも次々に飛び越えていったしげ先輩は
圧倒的に早かったな。


もうちょっと見たかったなって
私、何思ってるんだ。
あなた

……やめよう。

小瀧望
小瀧望
……え?なにが?
あなた

……いや、なんでもない。

これ以上見てたらまた変なことを考えてしまう。

授業に集中するためにも
私はまた前を向いてノートを書いていった。



















50分授業もあっという間に終わって
今はもう帰りの支度中。
特に智にぃとも待ち合わせしてないから
先に1人で帰ろっかななんて思っていたら
ジャケットのポケットの中に入っていた
携帯が震えて携帯を出せば智にぃから
連絡が入っていた。

要件は緊急部活やから先に帰っといてとの事。
戸締り等に気を付けて!なんて書いてある。

過保護っちゃ過保護。
でもそのおかげで沢山守られてきた。
小瀧望
小瀧望
あなた、今日1人なん?
あなた

…うん。
緊急部活なんだって。

小瀧望
小瀧望
ふ〜ん。そうなんや。
なら一緒に帰ろ。
俺も暇やし。
あなた

…うん。帰ろ。

のんちゃんと帰る約束をして
帰りのHR中に聞こえてきた先生の声。
中間淳太
中間淳太
……あ、神山と小瀧は残れ。
お前ら掃除。
小瀧望
小瀧望
はぁ!?なんでやねん!!!
中間淳太
中間淳太
お前ら俺の授業に寝てたり
外見てたり…
えぇ度胸してんな。
小瀧望
小瀧望
……きついって、それは。
机にぐでーんと伏せてしまったのんちゃん。

確かにこれは辛い…。
中間淳太
中間淳太
……雑巾がけはいらんから。
普通にほうきがけでいいから。
小瀧望
小瀧望
やったーーーー!!
はよ終わらせよう!!!
帰りのHRもそんなのんちゃんの声で解散に。

今はのんちゃんと掃除をしている。
重岡大毅
重岡大毅
…お前ら何してるん?
小瀧望
小瀧望
おおー!しげやん!!
重岡大毅
重岡大毅
お前な、先輩つけろって!!
おお!あなたちゃんも居るやん〜!
あなた

……先輩。

重岡大毅
重岡大毅
はーい!笑笑
持ち運び用のピアノを持って
私たちの教室に顔を出した先輩。
重岡大毅
重岡大毅
掃除終わったらここ使ってええか?
部活で使いたいんやけど。
小瀧望
小瀧望
淳太は?
重岡大毅
重岡大毅
あぁ〜、淳太にも
聞かなあかんな〜!
ちょっとピアノ置かせてや〜!
教卓の隣にピアノを置いて職員室にいる
中間先生に教室使用の許可を取りに行った先輩。
小瀧望
小瀧望
あなた、弾いてや。
あなた

……え?

小瀧望
小瀧望
やってたやん。
弾けるやろ?笑
私が持っていたほうきをのんちゃんが奪って
そのまま私をピアノの方に連れていく。
あなた

……私もう弾けないよ。

小瀧望
小瀧望
なんでもええから!な!笑笑
黒板にもたれながら私を見守るのんちゃん。

仕方なくピアノの前に立てばのんちゃんは
更に笑顔に。

私は一息を吐いてピアノの上に指を置いて
綺麗な音色を教室に響かせた。

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