貴方side
私の指に大毅先輩の指が絡む。
その瞬間絶対に離さないって思った。
私が強く握れば先輩も強く握ってくれる。
初めてのキスは
冬空の下で大きなクリスマスツリーを見上げ
カップル定番の観覧車の中で。
喧嘩しても先輩は声を荒げずに
それでもその目にはしっかい怒りの色が見えていて
私が前髪長い方が好きって言ったら
次の日は態と短く切ってくる。笑
大毅先輩を密かに狙っていた女の子たちからの
嫌がらせも全部全部大毅先輩が守ってくれた。
そんな男気ある先輩でも
虫を見つけたら意外とビビりで。
でもそれでも毎日欠かさず
夜道でも明るい夕方の時間帯でも
必ず家まで送ってくれる。
もう一度、高校の門の前で見上げる桜を見る頃には
私たちは言わいる学校公認のカップルになった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!