やっぱりどこか、ちぃに弱い涼介。
女子の前ではあんなに強がっているのに。
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部屋につき、お金や携帯など必要なものだけまとめ、涼介とのお出かけにどこかウキウキしていた私。
着替えも全て済ませ出てきた涼介。
ただの白いパーカーに黒のスキニーを履いているだけなのになぜこんなにもキラキラとしているのか…?
ボソッっと聞こえたその声でふと思い出した。
涼介のあの言葉
”奪い合う”
涼介が私のことを好きだと思っていることに急に意識してしまう。
見た目は少しクールな部分もある涼介。
けど本当はすごく優しくてかっこよくて甘いものが好きなギャップのある人。
私に気を遣ってわざと合わせてきたのか、それとも、ただ単に素直に答えただけなのか。
涼介に向けられたその笑顔は嘘をついているようには見えなかった。
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他愛もない話をしながら歩くこと約10分。
涼介と会ってまだそんなに時は経っていないはず
こんなに話が弾んだのは生まれて初めてだったかもしれない。
なんだか私の頭の中に、
『そう言っている貴方の方が綺麗だ』
なーんて臭い言葉が過ぎった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。