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第7話

第7夜 4人の用心棒
今日はほかの4人が遅くなる日だ。

シェアハウスの鍵を開けようと、わたしはカバンの中を探る。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
(あれ、おかしいな〜。どこにしまったっけなぁ……)
合鍵を渡されてはいるけど、普段誰かしらいて使わないせいかカバンの奥底に入ってしまっているみたい。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
(暗くて手元がよく見えないや……)
わたしはカバンの中をスマートフォンの画面で照らした。
変質者
おい、動くな。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
ヒィッ……!!
変質者
ハァ、ハァ……。騒ぎ立てるなよ。
一瞬、冬史郎さんがまたふざけてるのかと思ったけど、違う。彼は紳士だからこんなふうにいきなりつかみかかってはこないし、だいたい声が全然違う。冬史郎さんはもっと心地良い声で、雅にしゃべるけど、この男の声はしゃがれていて、口調も乱暴だ。しかも、耳元に息が吹きかかって気持ち悪い。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
(変質者……!!)
変質者
早く、ドアを開けろ。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
……!
変質者
ほら、早くしろっ。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
そ、そんなこと言ったって、鍵が見つからないのよ……!
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
(どうしよう……すごく、怖いよ。誰か助けて……。)
変質者
どうせ持ってるんだろう。ポケットの中とか……。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
やだ、触らないでよ……!
羽鳥優馬
羽鳥優馬
おい、おまえ。俺の女になにしてんだよ。
変質者
……!
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
優馬……!
羽鳥優馬
羽鳥優馬
早く、その汚ねぇ手を離せ。
変質者
クッソ……!!
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
優馬、逃げて……!
男が優馬に殴りかかる。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
痛ぇ……。
よろけながらも倒れない優馬に、男はさらに追い討ちをかけようとする。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
ちょっと、もうやめて!優馬を殴らないで!
変質者
うるせぇ!邪魔だ!
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
きゃっ……!
三浦千春
三浦千春
はい、そこまで。
声の主は千春さん。暴れる男の腕をつかんでいるのは、智也だ。
変質者
は、離せ……!なんなんだ、こいつら……!
墨田冬史郎
墨田冬史郎
姫を助けにきた4人の用心棒というところでしょうか。
生形智也
生形智也
そっ!そういうこと。
生形智也
生形智也
ああ、そうそう。俺、空手の有段者だから、あんまし暴れないほうがいいぜ。加減できずに、腕へし折っちまいそうだからよ。
変質者
ヒィィィッ……!
墨田冬史郎
墨田冬史郎
もしもし、警察ですか?事件です。
三浦千春
三浦千春
優馬は菜ノ花ちゃん連れて中入ってな。あとは俺たちで対応しとくから。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
うっす。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
うう……。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
おい、おまえ。泣くなよ……。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
だって、優馬が……。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
俺は大丈夫だから。おまえはどっか怪我ないか?
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
わたしは大丈夫。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
そっか、なら良かった。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
なんで、反撃しないのよ……。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
えっ?
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
あんなへなちょこパンチ、優馬なら簡単に避けられたでしょ。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
ああ……、おまえを人質にとられたくなかったからだよ。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
へ?
羽鳥優馬
羽鳥優馬
俺が強いってわかれば、あいつ女のおまえを人質にとるだろ。だから……。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
ばっかじゃないの!
羽鳥優馬
羽鳥優馬
痛い、痛いって……。殴るか泣くかどっちかにしろよ……。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
おいおい、そんなに泣くなよ。俺の服が濡れんだろ。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
うえ〜ん、だってぇ……。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
わかったから。よしよし。
優馬はめずらしく優しい。わたしを抱きしめながら、頭をぽんぽんしてくれた。
羽鳥優馬
羽鳥優馬
しがみつきながらでもいいから……家の中入るぞ。
神谷菜ノ花
神谷菜ノ花
……うん。
シェアハウスの中は、とってもあったかかった。

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平七羽
平七羽
こんにちは!平七羽(たいらいろは)です。ファンタジーとイケメンをこよなく愛しています。疲れちゃう毎日ですが、少しでも楽しくなるように。そんな小説を書いていきたいと思います╰(*´︶`*)╯💠twitter→@taira_iroha💎(アイコンは「宝ひかるは石の国」表紙でおなじみのkaoliniteさん@okayuatsuiから🎶)
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