第5話

その道は明日へと続くか
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2019/05/06 07:14
ゴールデンウィークがやってきた。

新しく学校が始まってすぐのこの連休は、学生たちの心のオアシスでもある。
でも、どこに行っても混んでいるだろうという一般的な考えに則って、我が家ではどこにも行かない。

智花の家庭は、いつも智花に意見を聞くそうだ。智花は、「今年はメグと遊ぶから」と遊びに行かない意思を両親に伝えたらしい。

私たちの、私たちとしての最後の休みだった。


お互いの家に一泊ずつの簡単なお泊まり会。
ここで、荷物の運び込みと、部屋の最終確認をする。

まずは智花の家に一泊、次に私の家に一泊。
私は昨日まとめた荷物を持って、智花の家に向かう。
電車だと定期の範囲外だから、自転車で行くことにする。
小学校を挟んで対極にあるから少し時間はかかるけれど、お金はかけないほうがいい。

荷物の中身はCD何枚かとプレーヤー、誕生日に買ってもらったノートPCにお気に入りの雑誌数冊。
PCにはパスワードを入力しなければならないから、智花の家においといても見られる心配はない。

精密機器が少し多めだから、そっと自転車を漕ぎだす。



高低差の少ない平坦な道を、滑らかにに駆けていった。

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