朝起きて、顔を洗って、
いつぶりだろうか。
気持ちいい朝を過ごした。
誰よりもはやく起きて、
誰よりもはやく家をでた。
たまに聞こえる車の音が風の音が心地よい。
足を運ぶこと、数分、
遠くで手を振る秋拿がみえた。
ブンブンという効果音がつくほど手を左右に振る。
秋拿が笑っている。
なぜだろう、みたことのない秋拿の笑顔。
いつも笑っているはずの秋拿のこの笑顔が
ひさしぶりにみた気がする。
もしかしたら初めてかも。
俺はちゃんと笑えているかな。
気にしないようにしてたけどいつも思ってる。
みんなは大丈夫かなって。
みんなが心配で心配で
この心配は無駄だってわかってる。
全部全部わかってる。
でも考えちゃうんだって。
"からぴちをいちばん"
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気づけば足元の色が変わっていた。
白とオレンジのタイルになっていた。
お店の中は人でいっぱい。
俺だけじゃあり得なかった買い物。
やはり秋拿に救われてるのだと実感する。
なんてしょうもない会話が日々の思い出。
……だって俺は、、こんなもんしかできないんだもん。
気づけばかごの中に靴がパンパン。
5足も買っちゃった。😜
ちょっと高かったけど、
たまにはこういうのもいいじゃん?
秋拿は店の中をかき回し、
いろんなのを試着しまくった。
その服は全てかごへ、いれられる。
意外と派手なの着るんだなぁ。
派手な色ばっかり、かごの中は光っている。
目を光らせながら秋拿は言う。
お金持ちだなぁ。
俺ももっとお金持ってたらいいのになぁ。
そこで俺たちがやってきたのはフードコーナー。
いろんな食べ物が並んでいる。
何食べようかなぁ。
まてまて、、
靴でお金をめっちゃ使ったんだった。
お金が足りなくなるぞぉぉ……
財布とにらめっこしている俺のところに
秋拿がやってきた。
もう!💢ほとんど無視じゃねえか。
ふと財布に目を落とすと、
20000円!?!?!?
ま、まさか、、あいつ!!
いいって言ったのに…置いてきやがって。
これがありがた迷惑ってやつか!!
ランチを買って席に向かっている途中、
横から秋拿がやってきた。やけにニヤニヤして。
俺が買ったのはうどん、そして、秋拿の手には
まったく同じうどん。
はぁ。まったく。
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳
空を見上げれば暗い闇に包まれていた。
そこに向かって手を広げる秋拿。
俺も空気を肺いっぱいに吸う。
この『またね』はあと何回を表しているのだろう。
『また』って必ず終わりは来るのに_________
もうすぐそこなのに________________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。