第10話

🌼
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2020/04/04 12:56
視聴覚室に入ると、
まだ数人しか集まっておらず安心した。

その数人の中に、北先輩はもちろんいた。

( さすがです...! )
あなた

お疲れ様です

挨拶をして、後ろの方の席に座った。

2年生だからというのもあるけど、

前の方は苦手意識がある。

もっていたパンは
取り敢えず膝の上に置いた。

星川 颯斗
隣いい?
話しかけてきたのは、2年1組の学級委員

星川 颯斗ほしかわ はやと ( 作者的にイケメンぽい名前 )

イケメン(らしい)で成績優秀
宮ツインズにならぶモテ男だ。

私は少し苦手。このグイグイ感が。
あなた

あ、うん。どうぞ

星川 颯斗
水原さん、今日パンだったの?
私の手元を見てそういう星川くん。
あなた

うん、忘れちゃって

星川 颯斗
へぇ、水原さんて可愛いところあるよね。
可愛いところ....?お弁当を忘れるのが...?

ちょっとよく分からない発言に、
私は笑いで流した。
星川 颯斗
あ!体育祭、同じカラーだね
あなた

そうだね

星川 颯斗
一緒に仕事するのが、水原さんで良かったよ。他の人すぐサボるから
あなた

....そうかな?

私はそんな風には思わなかったけど...
星川くんの前だとサボってたのかな...?

星川くん、仕事が早いからか!

私が悩んでいる間に、
次の話題へと変わっていく。
星川 颯斗
水原さん、あの宮侑の面倒みるの大変じゃない?治のほうは大人しいからいいけどさ
あなた

えぇっと....ううん、大丈夫だよ

あなた

意外とちゃんとしてるし

星川 颯斗
へぇ、気に入ってるんだ
あなた

え?

あなた

いや、気に入ってるとかではなくて...

( なんなんだろう.... )

私にとっての宮くんの存在

まぁ、問題児には変わりないけど
そこまで面倒くさいとか思わないな。

( 気に入ってる... )

人に対して

気に入る気に入らない

なんて考えたこともなかったな。
北 信介
水原、ちょっと手伝ってくれるか?
あなた

あ、はいっ!

沈黙が気まずくなったところで、
北先輩に声をかけられた。

私は『ごめん』と星川くんに言って
北先輩の方へ向かった。
北 信介
...チラッ
星川 颯斗
うぅ...こわーい ((ボソッ





あなた

えと、何をお手伝いすれば...

北 信介
やっぱなんもなかったわ
あなた

え、あ、そうですか?

北先輩が勘違いをするなんて...珍しいな。
3年生だし、忙しいんだろう。

( 頼って貰えたのは嬉しい...! )

と密かに喜ぶ私。
北 信介
またなんか頼むかもしれんから、そこ座っといてくれるか?
あなた

はいっ、分かりました

北先輩が指したのは、
前から2番目の端っこの席

さっきの席よりかなり離れている。

パンはさっきの席に置いてきてしまった。

( 先に取ってこようかな )

と思ったが、丁度集まりが始まってしまったので、手ぶらのまま端っこの席に座った。



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