その日は部屋から出ないでずっと二人きりだった。
あなたの身体の熱りも治まり、後は気持ちの方。
途中であなたの幼なじみ二人が様子を聞きに来たが、あなたは今は会いたくないと。
あなたは、何で泣いてるのだろう。
さっき、気持ちとは関係なく番になってしまうのが怖いと言っていた。
じゃあ、あなたには好きな人がいるのか?
そんな風にお願いされたら、断るなんてできないだろ。
その言葉を聞くのがつらい。
俺は男でαだ。
信用される要素なんてないだろ。
男として、見られてないのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・
スンスンと匂いのかぐ。
間違いないみたいだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!