第4話

首輪
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2019/08/04 04:57
ミニョン
じゃあ、屋敷のルールを説明するね
ミニョンさんは話を始める。
ミニョン
まず、基本的にヒョンやヌナは禁止。政府から聞いてるとは思うけど、これは距離をつめるためだからαやΩ、βも関係なく守ろうね。まあ、ウンは諦めてるけど……笑
ウン
そんな、ミニョニヒョンのこと呼び捨てなんて出来ませんし恥ずかしいです
ミニョン
そんなに愛を伝えてくれる方が恥ずかしいよ
確かに。
ミニョン
それからご飯の事だけど、俺とソンウで作るから手伝いは不要です。皆で食べるご飯はβのみ作ることができます。過去に媚薬いれた人がいたらしいからね
媚薬!?!?
そんなもの入れてどうするの!?!?
ミニョン
おやつとか自分で食べるものなら作っても大丈夫だよ
後は……ないかな?
ソンウ
あ!あなたちゃん!オッパもダメだよ!このαたちすぐその気になっちゃうから!
ジフン
過保護すぎですよソンウ
シフン
そうですよー。信用してください
ソンウ
無理だな!
仲がいいな、みんな。
仲良く……なりたいな。
もしみんなが私を


そういう目で見なければ、なれるかな?





・・・・・・・・・・・・・・・


You
あの、ミニョン
部屋の案内をしてくれてる仲介人のミニョンに声をかけた。
ミニョン
ん?どうしたの?
You
あの、聞いてるかとはおもうんですが、私のフェロモンが強いみたいで……
そう。私はΩの血をとても強く受け継いでしまった。そのせいか、他のΩよりαに目をつけられやすい。
ミニョン
ああ、聞いてるよ。大丈夫。俺も、ソンウもいる。合意じゃなく襲われたらすぐ俺たちを呼んでね。それから……
ミニョンはポケットからあるものを取り出した。赤色の少し分厚い……ベルト?
ミニョン
これをあげる。首輪だよ。嫌かもしれないけど付けてて。これで番の契約はしなくてすむと思うから。
そう言って私の首にその首輪を巻く。
腕を頭の後ろに回されてミニョンの匂いがすぐ近くでする。甘くて優しい心地の良い匂い。


ドキドキする。
ミニョン
はい!これで大丈夫だね!これはパスワードがないと解除出来ないからある程度は保証できるよ。安全のため俺しか知らないし、あなたにも教えない!
ミニョンは微笑む。
つられて私も笑顔を見せた。
ミニョン
さあ、あなたの部屋まで案内するよ!続きはご飯を食べた後にまわろうね!それまでゆっくりしててね
廊下を歩き着いたのは、屋敷の最奥にある部屋。大きなドアの前に立つ。
ミニョン
ここがあなたの部屋だよ。俺の部屋は向かいだから何かあったら叫んでくれれば駆けつけるよ。こんな奥でごめんね?一番景色が綺麗なんだ
ミニョンがドアを開けた。
そこに広がっていたのは、広い空間を贅沢に使ったいかにも高級そうな一室。
You
え?ここに住むんですか!?
ミニョン
うん。いい部屋だろ?
もちろんいい部屋だ。でもいい部屋過ぎて私にはもったいないよ!
ミニョン
ほら、窓の外を見てごらん?
指された指の方向には小さな窓が一つ。
ミニョン
ここを作った元の家主がここからの景色です気に入ったんだ。でも家の作り的に大きな窓はもうけられないから小さなのを取り付けたんだよ。小鳥が通れるくらいには開けることもできるよ?
本当にとても綺麗だ。
見えるのは屋敷の周りにある柵のその一角。そこに一本の木が立っていた。何故か不思議なことに、その木の周りだけ花が生き生きと育っている。自然豊か、とはまさにこのことなのではと錯覚させられる。
ミニョン
じゃあ、僕はご飯の準備しなきゃだから。ごゆっくり
You
ありがとうございました
私はしばらく、その景色に見とれていた。





・・・・・・・・・・・・・・・





ミニョン
はぁ……
危ない。危ないよあなた。
そんな簡単に触らせて、顔を赤くして。俺がβだからって安心してるのかな?
βでもΩに子供を産ませることはできるんだよ?
ミニョン
ヤバいな……
心配だ……。

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