ミニョンさんは話を始める。
確かに。
媚薬!?!?
そんなもの入れてどうするの!?!?
仲がいいな、みんな。
仲良く……なりたいな。
もしみんなが私を
そういう目で見なければ、なれるかな?
・・・・・・・・・・・・・・・
部屋の案内をしてくれてる仲介人のミニョンに声をかけた。
そう。私はΩの血をとても強く受け継いでしまった。そのせいか、他のΩよりαに目をつけられやすい。
ミニョンはポケットからあるものを取り出した。赤色の少し分厚い……ベルト?
そう言って私の首にその首輪を巻く。
腕を頭の後ろに回されてミニョンの匂いがすぐ近くでする。甘くて優しい心地の良い匂い。
ドキドキする。
ミニョンは微笑む。
つられて私も笑顔を見せた。
廊下を歩き着いたのは、屋敷の最奥にある部屋。大きなドアの前に立つ。
ミニョンがドアを開けた。
そこに広がっていたのは、広い空間を贅沢に使ったいかにも高級そうな一室。
もちろんいい部屋だ。でもいい部屋過ぎて私にはもったいないよ!
指された指の方向には小さな窓が一つ。
本当にとても綺麗だ。
見えるのは屋敷の周りにある柵のその一角。そこに一本の木が立っていた。何故か不思議なことに、その木の周りだけ花が生き生きと育っている。自然豊か、とはまさにこのことなのではと錯覚させられる。
私はしばらく、その景色に見とれていた。
・・・・・・・・・・・・・・・
危ない。危ないよあなた。
そんな簡単に触らせて、顔を赤くして。俺がβだからって安心してるのかな?
βでもΩに子供を産ませることはできるんだよ?
心配だ……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。