第10話

教えて
107
2019/09/09 07:16
穏やかな昼休みの時間


屋上の柵に手をかけ


雲を眺める



「どう?マネージャーは」

『うん。楽しいよ』

柵に背を向ける富永

やらかすなよと私を茶化す


『富永はあの子とどうなの?』

「まあ、それなりに」

『それなりに?』

「なんもねえよ、」

『うん』

「お前は?」

と聞かれて

私は、と言おうとすると


「俺さ、」



告白された。


まっすぐ私を見つめて

そう言う富永は

私の知らない目をしていて

ジリジリと焼き付ける太陽が

いつの間にか

部活焼けした富永の肌を照らしていた




『ああ、そうなんだ』

良かったねと素直に言えない。

富永は今、

何を思っているのだろうか



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