ー放課後ー
家の近くの海
よく2人で遊んでたな
なんて考えながら
浜辺を歩いていた
「おれさ、野球部入ろうと思って」
『え、』
富永は小学生の頃野球をやっていた
誰よりも熱心に練習していた
ある日、富永の親が車の事故でなくなってしまった
それをきっかけに、
富永は野球を辞めた。
『そっかぁー』
私もなんかやりたいこと見つけなきゃだぁ。
なんて思っても、
特にやりたいことなんかないし
「あ!明日さ、部活の見学してもいい?」
『あー、多分明日から部活だから』
「あ、そっか。がんばれよ!」
『いや、言われなくても頑張るわ笑』
クシャッと笑う富永は、
なんか、いつもと違くて
ほんとに楽しみなんだなぁと
やりたいこと見つかったんだなって
私まで、嬉しくなった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。