召使い…
しかも、あの女の子専属で
結局、これしか言えない
もう、私は
完全に
捨てられてしまったんだ
あれから、1週間が経った
召使い、
それは決して
楽なものじゃなかった
あの女の子_______
ヘヨン様は
結構、身勝手な人だった
婚約者
ただの婚約者ではなく
次期 “社長夫人” だ
それなりに、仕事は沢山ある
挨拶文を書いたり
書類をまとめたり…
結構、忙しいから
それなりの覚悟も必要だ
それを、何故か私がしている
面倒な仕事は、私に押し付けて
私から
ユンギさんという大切な存在だけを
奪っていった
まぁ、
本人は自覚していないみたいだけど
むしろ
仕事があるなんて、夢にも思っていないだろう
一応、私も ユンギさんも ヘヨン様も
高校生だしね
あと、もう1つ
私はユンギさんとあの女の子を
ユンギ様 ヘヨン様 と
呼ばないといけなくなってしまった
そりゃあ、そうだよね
だって、私は所詮
もう、
ただの “召使い” なんだから________
それでも、やっぱり
ユンギ “様” じゃなくて、
ユンギ “さん” って、そう呼びたい
呼び捨てなんて、
そんな贅沢は言わないから
せめて、もう一度
“ユンギさん” と呼ばせてください
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。