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この前は、
ユンギさんのことも
ヘヨン様のことも
ナムには言わなかった
言ったら、心配かけちゃうかもって思って
優しいナムは
きっとこの話を聞いたら
ユンギさんの所まで行っちゃいそうで
それだと、ナムに迷惑かけるだけだから
絶対、ナムには言わないって決めたんだ
昼休み
そう言って、ナムは
私の手を握って
屋上へと歩きはじめた
少しだけ、、ほんの少しだけ
胸が高鳴ったのは
きっと、気のせい
屋上
2人でベンチに座った
どうしよう、
今ここでナムに言ったら
少しは楽になれるかな…
この先どうなっても
もういいや
そして私は
今までの事を全部話した
ユンギさんに好きな人がいたこと
ユンギさんに捨てられてしまったこと
そして、、
ヘヨン様の “言いなり” になってしまったこと
ギュッ
その瞬間、
私は
ナムに
抱きしめられた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!