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第2話

覚醒ストレンジャー!
132
2021/02/13 11:11
監督生side


ガタガタと揺れ動かされる振動に不快感をいだき目を覚ます。

「この音は……?」

???「やべぇ。そろそろ人がきちまうゾ。早いところ制服を……」

人が来る?制服?
一体何のことだろうか…。
これは夢なのか?

???「うーん!!!この蓋、重たいんだゾ。」

蓋…?
だれか閉じ込められているのか?

???「こうなったら………奥の手だ!ふな〝ぁ〜〜〜!それっ!」

そんな騒がしい掛け声と共に周りから燃え盛る火の温度を感じ思わず目を瞑ってしまう。
すると、木の蓋が落ちる音がし前からは光が入りこむ。
周りを見渡そうと節々が痛んでいる体をなんとか起こす。

???「さてさて、お目当ての……って、ギャーーーーーー!!!!オマエ、なんでもう起きてるんだ!?」

五月蝿い、と文句を言おうとし相手を視認するべく視線を向けてみれば、狸のような姿をしていて、藍色のような毛並みをし、耳からは青き炎が放出され、尾は三叉の槍のような形をしている。

周りの把握よりも目下の謎の生命体に目を取られてしまった。
いや、これは仕方ないのではなかろうか。

「狸が喋ってる…?」

???「誰が狸じゃー!!オレ様はグリム様なんだぞ!」

どうやら随分と本格的な夢らしい。
珍しいな…自分はあまり夢を見ないタイプだし結構長い、早く終わるのだろうか。

グリム「まあいい。そこのニンゲン!オレ様にその服をよこすんだゾ!さもなくば………」

よっぽど疲れているのだろう、こんなの子供が夢見るファンタジーの世界線を見るとは…。

グリム「丸焼きだ!」

呆れてしまう考察に耽っていると狸はまたあの熱を火を周りに巡らせ此方を威嚇する。

この様子からこの狸に話し合いなど通用はしないのは明らかだった。
此方が脅し返してやったって良い、だがしかしそれが故に関係を待ってしまうのは御免だ。

「そんな脅し効くと思います?」

完全に起き上がり服についている木屑やら埃やらを払い除け、相手を見下ろしそう言葉を発すと同時に扉に向かい走る。

グリム「コイツ!待つんだゾ!」

此方へ向けられる炎をなんとか避けつつ外へ飛び出す。

そこで、ある違和感を覚える。

何故、夢なのに痛覚があるんだ?

逃走しながらもその不明点を納得のいく説明を脳内で求め提案する。
落ち着いた考えとしては、寝ている自分の体がどこかにぶつかったの答えを置いている。

「それにしてもしつこい狸だ」

何キロ走った?見た感じ教室、食堂、庭、廊下…等学園だろう場所を先程からずっと走り続けている。
撒きやすい場所で言えば、図書館だ。
ばら撒き相手に当てれば隙を作り逃げることは可能。
使い方に関しては申し訳ないが本を利用させてもらおうと心の中で借りますとでも言っておく。

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