第67話

いや、そんなの聞いてねぇぞ。**
931
2020/02/06 08:00

「こたー、義理チョコもらった?」


「こたがもらうわけないじゃんー」


「俺お母さんからチョコもらった!」


「まっ、こたがチョコ欲しいならあげてもいいわよっ」


保育実習の日、数人の子供達に囲まれる。
バレンタインに近いということもあり、話題は誰にチョコを貰ったか。

こた
義理チョコしかもらえない前提で話さないでくれ…
こた
あとせめてこた"先生"って言えよ…


「??だってこたはこただろ?」

こた
楓馬や雛さんの事も呼び捨てなのか?


「ううん!ふうまくんとかひな先生って言ってる!」

こた
2人には君とか先生とか付けてるじゃねぇか…ほら、繰り返してみろ。"こた先生"…はい


『こた!!』
こた
だめだこりゃ…


保育園の子供達は素直で、まだ自分の思っていることをはっきりということができ、俺はその素直な気持ちを大切に持って育ってもらいたいと思っている。この時間がほんとに幸せなんだ。
…ま、呼び捨てで呼ばれるのはなんとかしねぇとだけど。




「で、こたはチョコ貰ったの?」
こた
ん?まぁひなさんとか同級生に貰ったぞ!「いつもお世話になってます」って


「お世話されてるのはこただろ?」


「こたの方が絶対迷惑かけてるわね」
こた
おい、余計なこと言ったの誰だ


「キャハッ!!」


笑いながら駆け回る子供達。


「こたが怒った〜!怪獣だ!!」


こた
うぎゃぁー、怪獣だぞ!!ヒーローレッドがいない間に食べちゃうぞー?


「ヒーローレッドさんじょうっ!くらえっ!」



段ボールのベルトを付け変身ポーズを決めた子のビームで攻撃をしてくる。


こた
うっ…レッドめ…なかなかやるなっ…


「必殺!レッド光線!」
こた
うわーっ、やられたーっ


「トドメだトドメ!」



ぐさぐさとチラシを折って作った剣で背中を刺される。
こた
いやそれヒーローレッドが殺人犯になっちまうから!
雨月
あっはは、こたがやられてる〜


「あ!うげつにぃ!」


「一緒に戦お!!」
雨月
いいよ〜。こた〜、必殺攻撃〜

えいっと指で背中を突かれる。

こた
イエメンに突かれて戦闘不能…ぱたり


「勝った勝った〜!!」




いや、そりゃ雨月の顔面偏差値高い高い攻撃には敵わねぇよ…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

▽▽


こた
あああ〜疲れたぁ…
琥珀
おつかれさまですっ


金曜日の夜、俺の家に泊まりに来た琥珀に後ろから抱きつかれながらお茶を飲む。

こた
子供は本当元気だよな〜
こた
ま、そういう所も可愛いくて好きなんだけど
琥珀
こたさんは優しいですね、俺そんな体力絶対ないです…
こた
俺もねぇよ…けど子供の安全守らねぇとな!
琥珀
っ!頑張ってるこたさんにご褒美です〜っ
こた
んっ♡


優しくキスをされる。

こた
ぁ…それより琥珀、お前受験大丈夫なのか?そろそろやべーだろ
琥珀
あれっ?こたさんには言ってませんでしたっけ?
こた
何が?
琥珀
俺、こたさん達の大学に推薦で受かったんですよっ
こた
…は?
琥珀
保育科ではないですけどね。母が料理本とか出してて小さな頃から栄養士に憧れてて…
琥珀
で、料理のことを学べたらと思って!なので晴向さんと春兎さん達と同じ科です!
こた
いやいやいや!?そんなの聞いてねぇから!?


勉強を教えていたが、まさか自分達の大学に入る為の勉強だったことは知らなかった。


琥珀
えへへっ♪
こた
〜っ!?と言うことはお前この大学の近くで暮らすのか?
琥珀
そうなりますね〜、部屋探さないとです。こたさんと毎日帰れるなんてこれからが楽しみだっ
こた
毎日見てるようなもんだろ…
琥珀
いやいや!学校で頑張ってるこたさんを見たことありませんよ?学部違ってもお昼とかに会えると思いますし
こた
どんだけ俺のこと好きなんだよっ…
琥珀
っ…世界一愛してます
こた
んぅ♡…ぁ♡…ふ…っぅ♡♡…ぷはぁっ♡♡
琥珀
っは…食べちゃいたいくらい大好きなんですからね?
こた
は…ぅ…♡♡


舌を入れてキスされてから、優しく抱きしめられる。


今日は疲れたけど、琥珀といると疲れなんて忘れて幸せなんだよな。


これからはずっと琥珀と居られるって思うと少し嬉しい…けど本人には言わない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

▽▽

そのまま後ろから抱きしめられながらテレビを見ていると、流れるのはチョコレートのCM。



こた
そろそろバレンタインかぁ…
琥珀
お店とかに沢山チョコ並んでますよね〜
琥珀
俺はこたさんに手作りのお菓子渡します〜♪
こた
おぉ、ありがと
こた
俺も…琥珀に作るから…


頰を赤らめながら小さな声で伝える。
琥珀
っ!本当ですかっ!俺、こたさんの作る料理大好きなんです〜っ
こた
〜っ!!…琥珀の方がこれからもっと料理上手くなるだろ…
琥珀
違いますよ


ぎゅうっと正面を向いて抱きしめてくる。
琥珀
こたさんのの料理だから楽しみなんですよ?恋人が作ってくれた料理はなんでも美味しいんです
こた
〜っ!?…ほんっとに…


むぎゅっと抱きしめ返す。


こた
お前には敵わねぇわ…


俺も琥珀みてぇに素直になりたい…とか思ったり。
そしたらもっと琥珀喜んでくれんのかな?キスも沢山してくれてるかも。


琥珀
っ?こたさん?
こた
…なんでもねー


バレンタイン、何作ろうかな。













バレンタインのお話しはこはこたにしました。
皆さんは茶々丸の作品の中で誰を推しているのだろうか…と電車を待ちながら考えてたり。
次はどの作品投稿しようか迷っています。
ひより達のお話しも書きたいし、吹雪達の話も書きたい…。春兎達や満桜達のもそろそろ更新したいなと思っています!更新まで待ってくださると嬉しいです。
いいね、お気に入り登録、コメントありがとうございます!次回もこはこたです。

プリ小説オーディオドラマ