3月中旬。
この日の為に、母が昔に買ってくれていたネクタイを締める。
クリーム色のストライプ柄。
お母さんの大好きな色だ。
ねぇ、お母さん、僕社会人になるんだよ?
22歳になっちゃった。
スーツ、似合ってる?ネクタイ、ありがとう。
空から見てくれているのかな。
笑顔で映る母の写真に向かって、語りかける。
今日は卒業式です__
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▽▽
ふぅ〜君がいない2年間は、とても長かったのに、ふぅ〜君と過ごした2年はあっという間だった。
就職先も決まり、もう卒業の日。
式も終わり、卒業証書の本を握りながら式場を出る。
人数が多すぎる在学生は外で待つのがルール。
無事卒業したことを伝える為に、皆んなの所へ向かう。
▽▽
大好きな声の元へ駆け寄ると、嬉しそうだが、少し悲しそうなふぅ〜君達がいた。
ぽろぽろと涙を流すこた君。
それに釣られて、しゅんとする皆の様子に焦ってしまう。
"卒業、おめでとうございます"
声を合わせて伝えられる。
(あぁ…嬉しいなぁっ)
沢山の後輩に恵まれて、皆に、別れを惜しまれる。
なんの取り柄もないと思っていた僕が、沢山の人に好かれて、祝われた。
僕は幸せ者だ。
胸がいっぱいになり、涙がぽろぽろと溢れ出す。
ハンカチで優しく涙を拭われる。
そのままぽんぽんと頭を撫でられ、宥めてくれた。
グイッ__
視界が動いたかと思うと、足が宙に浮いている感覚がする。
(こっ…これって…!?)
ちゅぅっ♡♡
人目を気にせず、そのままキスをされる。
真剣な顔でふぅ〜君が伝えてくる。
そんなこと言われたら…!!
真っ赤になった顔を隠し、熱を冷ます。
ふぅ〜君にも愛されて、僕は幸せすぎておかしくなりそうだ。
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▽▽
「おーい、雛、見慣れない後輩が呼んでるぞ」
昼過ぎ、そろそろ学校を出ようと用意をしていた時、秋季君に声をかけられた。
「ホールの前で待ってるらしい」
(後輩って誰のことだろう…?)
秋季君になら、ふぅ〜君達のことを知っているはずだ。
後輩って言うことは、秋季君も名前を知らない子だろう。
疑問を抱えつつ、ホールの前へ向かうと1人の男子が立っていた。
「あ、天ノさん」
「いえ、喜んでもらえたなら良かったです」
少し頰を赤くし笑う男子。
後輩というから誰のことだろうと思ったけど、バレンタインの日にチョコをくれた子だった。
用事は何かと尋ねると先程の表情を変え、下を向く。
「っ…俺…」
ぐっと引っ張られ、人気のない部屋に入れられた。
バタンッ__!
大きな音で閉じた扉の音に肩が震える。
「俺っ…雛さんのことが、好きなんです」
突然の言葉に驚き理由を聞く。
「……」
(なんで黙ってるんだろう…)
後輩の反応を待ちながら、引っ張られた腕を触ろうと身体を動かした途端、ガッと壁に追いやられた。
「逃げるな…!!俺がどれだけ雛さんが好きかっ、今考えてた所だ」
思い切り壁に腕を打ち付けられ、事故で傷ついた腕がズキリと傷んだ。
「あぁ…可愛い。この大学入って貴方を見た時、一目惚れしたんです…女性の様に華奢な身体、細い腕に白い肌…この桜色の髪はさらさらで…何より顔が可愛いんだ…」
髪を撫でられ、頰を触られた時、ふぅ〜君に触られた時と違う感覚に寒気がした。
「それに…この間のバレンタイン、俺のチョコ受け取ってくれましたよね?嬉しくて狂いそうでした……でも……」
グッと腕を抑える力が強まり、締め付けられる。
「…楓馬って人、邪魔ですね……俺が近づこうとした時いつもいる…雛さんが汚れる…あぁ!!あんな奴といたら汚れてしまいます…!!」
「楓馬って人、なんなんですか?雛さんの家に良く来てますよね?一晩泊まってますよね?ねぇ、雛さん雛さん雛さん!!教えて下さいよ…」
(ふぅ〜君の悪口言うなんて、許せない…!!)
大きな声で叫ぶと、顔を青くし身体を揺さぶられた。
「どうしてどうしてどうして…!?俺が一番貴方のことが好きなんです、貴方の身体に抱きつきたい、キスしたい……犯したい…あんな奴、忘れてくださいよ…俺、雛さんの家まで調べて、全部してるのに…!!あぁ、今からでも掻き乱したい…!!」
上着とネクタイを乱暴に取られ、ブチッと強引にシャツを脱がされていく。
「………ぁ"?」
脱がされている途中、ある一点を見て後輩の動きが止まった。
「なんでキスマなんて付いてるんですか?」
その隙にシャツで身体を隠す。
「誰が跡つけたんですか?…っ…汚い汚い汚い汚い汚い!!あ"あ"!!なんでなんで!!」
「……俺以外の奴とセックスしてるんですか?」
思い切り壁に押し付けられられ、そのままシャツを脱がされた。
「あのチョコ、俺以外の人との関わりを切って下さいって意味で渡したんですよ?約束破って俺以外の奴とセックス?…はは、ははは…だったら俺が上書きしてやる…」
強い力で抵抗できないまま、首筋や鎖骨を乱暴に舐められる。
「はぁっ…綺麗な胸…」
大きな音を立て、胸を舐められる。
(気持ち悪いっ…)
恐怖と嫌悪で涙が溢れる。
(こんな身体、嫌だっ…)
助けて欲しいと願う声が部屋に響く__
皆様!!前回はアンケートありがとうございました…!!なんと40越えのアンケート結果…!!こんなに沢山の方が見てくれているんだ…!!と本当に嬉しかったです〜!!
本日26日、午前10時に締め切らせていただきました!
その結果がこちらです〜!!
本当に数%の差で雛が他の男子に迫られる話が1番になりました…!!
それを知った茶々丸さん、本日中に書き上げました!!
今回のアンケートですが、
雛と彼シャツえっち。
お酒に弱い雛が酔う話。
雛が楓馬と一緒に暮らそうと言う話。
という順に随時投稿させて頂きます〜!
今回は迫られる話、ということで、幸せから一転、雛にとっては悲しい終わり方になりました。
この作品に出てきた、秋季というキャラは、別作品のひねくれ兎に春がくる。の主人公です、こちらの作品も見てくださると嬉しいです。
次回はえちえちです〜!!
これからどうなるかご期待下さい〜!!
そしてそして!!絵本のような小さな幸せを。のいいね数が2000いきました〜!!茶々丸嬉しいです〜!!
最近この作品を知った方、古参の方、皆様のお陰です〜!!本当にありがとうございます!!これからも見てくださると嬉しいです〜!!
あ!あと、晴雨の小説も見やすい様にマークを付ける予定です〜!!ふうひながメインなのでふうひなにはマークは付けません。
晴雨のいい案があればコメント下さると嬉しいです〜!!
いいね、お気に入り登録、コメントありがとうございます〜!!
それでは!次回もお越しください〜!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。