第162話

能ある鷹に、食べられないで。🔞
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2021/03/28 03:03


3月中旬。


この日の為に、母が昔に買ってくれていたネクタイを締める。


クリーム色のストライプ柄。
お母さんの大好きな色だ。

お母さんにも見て欲しかったなぁ


ねぇ、お母さん、僕社会人になるんだよ?
22歳になっちゃった。


スーツ、似合ってる?ネクタイ、ありがとう。


空から見てくれているのかな。
行きたかった保育園でも、働けるようになったんだよっ?凄いでしょ〜っ


笑顔で映る母の写真に向かって、語りかける。


今日は卒業式です__


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▽▽



ふぅ〜君がいない2年間は、とても長かったのに、ふぅ〜君と過ごした2年はあっという間だった。


就職先も決まり、もう卒業の日。
早いなぁ…


式も終わり、卒業証書の本を握りながら式場を出る。


人数が多すぎる在学生は外で待つのがルール。


無事卒業したことを伝える為に、皆んなの所へ向かう。



▽▽
楓馬
…ぁ!ひなさん〜!
ふぅ〜君っ!


大好きな声の元へ駆け寄ると、嬉しそうだが、少し悲しそうなふぅ〜君達がいた。
楓馬
卒業、おめでとうございます
えへ、ありがとうっ!
こた
うぅっ…雛さんがいないと寂しいよぉ…


ぽろぽろと涙を流すこた君。


それに釣られて、しゅんとする皆の様子に焦ってしまう。

時間がある時は必ず会いに行くし…!夏休みとか、皆も長いでしょっ?一緒に遊ぼう?
雨月
…絶対遊んでくれますか?
もちろん!
絶対絶対、会いに来て下さいね…?
晴向
俺達も、待ってますよ
琥珀
またご飯食べましょう〜!
沙鶯
その時は美味しい料理、作って待ってます
っ…!嬉しい!絶対会いに行くよ!
晴向
じゃあ改めて。雛さん



"卒業、おめでとうございます"



声を合わせて伝えられる。



(あぁ…嬉しいなぁっ)



沢山の後輩に恵まれて、皆に、別れを惜しまれる。
なんの取り柄もないと思っていた僕が、沢山の人に好かれて、祝われた。


僕は幸せ者だ。


胸がいっぱいになり、涙がぽろぽろと溢れ出す。
〜っ…ありがとう〜、っ…僕まで泣いちゃう…
楓馬
あはは、ほらひなさん、折角のスーツが濡れちゃいますよ〜
ん…


ハンカチで優しく涙を拭われる。


そのままぽんぽんと頭を撫でられ、宥めてくれた。

楓馬
…ひなさん
ん〜?わっ…!


グイッ__


視界が動いたかと思うと、足が宙に浮いている感覚がする。



(こっ…これって…!?)

お、お姫様抱っこ!?…んぅ♡♡


ちゅぅっ♡♡


人目を気にせず、そのままキスをされる。

楓馬
卒業しても、ずっと愛してますから
〜っ!!♡♡


真剣な顔でふぅ〜君が伝えてくる。


そんなこと言われたら…!!

かっ…かっこよすぎて気絶する…!!
楓馬
あははっ、気絶ってなんですか〜


真っ赤になった顔を隠し、熱を冷ます。


ふぅ〜君にも愛されて、僕は幸せすぎておかしくなりそうだ。


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▽▽



「おーい、雛、見慣れない後輩が呼んでるぞ」



昼過ぎ、そろそろ学校を出ようと用意をしていた時、秋季君に声をかけられた。

見慣れない後輩…?わかった、一応行ってみるね


「ホールの前で待ってるらしい」
は〜い


(後輩って誰のことだろう…?)



秋季君になら、ふぅ〜君達のことを知っているはずだ。


後輩って言うことは、秋季君も名前を知らない子だろう。


疑問を抱えつつ、ホールの前へ向かうと1人の男子が立っていた。




「あ、天ノさん」
あ!この間チョコくれた子だね!この間はありがとうっ


「いえ、喜んでもらえたなら良かったです」



少し頰を赤くし笑う男子。


後輩というから誰のことだろうと思ったけど、バレンタインの日にチョコをくれた子だった。
えっと、呼んでたって言ってたから来たんだけど…僕に用事があった?


用事は何かと尋ねると先程の表情を変え、下を向く。



「っ…俺…」
わっ…!えっ?


ぐっと引っ張られ、人気のない部屋に入れられた。



バタンッ__!



大きな音で閉じた扉の音に肩が震える。


どっ…どうしたの…?


「俺っ…雛さんのことが、好きなんです」

え?僕、そんな君と関わり少ないよ…?
ホールで出会うだけだよね?


突然の言葉に驚き理由を聞く。



「……」



(なんで黙ってるんだろう…)



後輩の反応を待ちながら、引っ張られた腕を触ろうと身体を動かした途端、ガッと壁に追いやられた。



「逃げるな…!!俺がどれだけ雛さんが好きかっ、今考えてた所だ」


いたっ…


思い切り壁に腕を打ち付けられ、事故で傷ついた腕がズキリと傷んだ。



「あぁ…可愛い。この大学入って貴方を見た時、一目惚れしたんです…女性の様に華奢な身体、細い腕に白い肌…この桜色の髪はさらさらで…何より顔が可愛いんだ…」

っ…やめっ…


髪を撫でられ、頰を触られた時、ふぅ〜君に触られた時と違う感覚に寒気がした。



「それに…この間のバレンタイン、俺のチョコ受け取ってくれましたよね?嬉しくて狂いそうでした……でも……」

い"っ…痛いっ…


グッと腕を抑える力が強まり、締め付けられる。



「…楓馬って人、邪魔ですね……俺が近づこうとした時いつもいる…雛さんが汚れる…あぁ!!あんな奴といたら汚れてしまいます…!!」



「楓馬って人、なんなんですか?雛さんの家に良く来てますよね?一晩泊まってますよね?ねぇ、雛さん雛さん雛さん!!教えて下さいよ…」


っ…!!ふぅ〜君のことは悪く言わないで!!ふぅ〜君は僕の大切な人なの!!



(ふぅ〜君の悪口言うなんて、許せない…!!)



大きな声で叫ぶと、顔を青くし身体を揺さぶられた。



「どうしてどうしてどうして…!?俺が一番貴方のことが好きなんです、貴方の身体に抱きつきたい、キスしたい……犯したい…あんな奴、忘れてくださいよ…俺、雛さんの家まで調べて、全部してるのに…!!あぁ、今からでも掻き乱したい…!!」


っ!?…やっ…やめて…っ


上着とネクタイを乱暴に取られ、ブチッと強引にシャツを脱がされていく。



「………ぁ"?」



脱がされている途中、ある一点を見て後輩の動きが止まった。



「なんでキスマなんて付いてるんですか?」


っ!


その隙にシャツで身体を隠す。



「誰が跡つけたんですか?…っ…汚い汚い汚い汚い汚い!!あ"あ"!!なんでなんで!!」

っ…だから!ふぅ〜君と付き合ってるの!…これ以上ふぅ〜君のこと悪く言うなら、後輩でも許さないよ



「……俺以外の奴とセックスしてるんですか?」


っぅ…


思い切り壁に押し付けられられ、そのままシャツを脱がされた。



「あのチョコ、俺以外の人との関わりを切って下さいって意味で渡したんですよ?約束破って俺以外の奴とセックス?…はは、ははは…だったら俺が上書きしてやる…」


んやっ…やだ…っひ…やめ…てっ…


強い力で抵抗できないまま、首筋や鎖骨を乱暴に舐められる。



「はぁっ…綺麗な胸…」


ひっ…!やだっ、やだやだっ…やめてっ…っぅ…


大きな音を立て、胸を舐められる。



(気持ち悪いっ…)



やだぁ…


恐怖と嫌悪で涙が溢れる。


ふぅ…くん…たすけてっ…


(こんな身体、嫌だっ…)



助けて欲しいと願う声が部屋に響く__















皆様!!前回はアンケートありがとうございました…!!なんと40越えのアンケート結果…!!こんなに沢山の方が見てくれているんだ…!!と本当に嬉しかったです〜!!


本日26日、午前10時に締め切らせていただきました!


その結果がこちらです〜!!


本当に数%の差で雛が他の男子に迫られる話が1番になりました…!!


それを知った茶々丸さん、本日中に書き上げました!!


今回のアンケートですが、

雛と彼シャツえっち。

お酒に弱い雛が酔う話。

雛が楓馬と一緒に暮らそうと言う話。

という順に随時投稿させて頂きます〜!


今回は迫られる話、ということで、幸せから一転、雛にとっては悲しい終わり方になりました。

この作品に出てきた、秋季というキャラは、別作品のひねくれ兎に春がくる。の主人公です、こちらの作品も見てくださると嬉しいです。


次回はえちえちです〜!!

これからどうなるかご期待下さい〜!!

そしてそして!!絵本のような小さな幸せを。のいいね数が2000いきました〜!!茶々丸嬉しいです〜!!

最近この作品を知った方、古参の方、皆様のお陰です〜!!本当にありがとうございます!!これからも見てくださると嬉しいです〜!!

あ!あと、晴雨の小説も見やすい様にマークを付ける予定です〜!!ふうひながメインなのでふうひなにはマークは付けません。
晴雨のいい案があればコメント下さると嬉しいです〜!!

いいね、お気に入り登録、コメントありがとうございます〜!!

それでは!次回もお越しください〜!!

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