朝8時。
無事に仲直りし、学校の準備をする。
だが琥珀は、俺のことをじっと見つめるばかり。
留学すると決めた琥珀。
ずっと悩んでいたことが解決し、スッキリした様子だ。
それに伴い、琥珀も愛の攻撃も再開する訳で__
愛の言葉を囁かれる。
抱擁に応えれば、ぎゅっと強く抱きしめられた。
トクトクと聞こえる心臓の音が、心地良い。
抱きしめられたまま尋ねれば、俺の誘いにキラキラと目を輝かし、カバンの用意をし始める。
(犬みてぇ…)
尻尾を振った犬の様に、喜怒哀楽の激しい琥珀。
その姿が愛おしくて写真を撮れば、それに気づいてポーズを撮ってくれた。
これも、思い出の1つ。
写真フォルダを開いてスクロールすれば、琥珀の料理や2人で撮った写真が残されている。
春、夏、秋、冬。どんな季節にだって、琥珀が写っていて、写真を見返すのが好きだ。
くだらない写真だって、全部思い出。
__でも、2年間琥珀はいない。
その間に、俺は何を写すのだろうか。
風景?友達?
…いや、きっと俺は__
__琥珀のことを、撮るだろう。
必ず、琥珀に会いに行こう。
バイト代貯めて、就活もして…。
ベアベアのグッズは買えなくなるかもしれないけれど、琥珀のことを思えば、我慢できる。
大変な未来が想像できるのに、苦ではない。
何よりも、琥珀が大事だから。
だから俺も琥珀に負けないくらい頑張ろう。
(っ!やべ、俺も準備しねぇと…!)
はっとなり時計を見れば、あと30分で電車が来る。
急いで昨日作ってくれた夕飯をお弁当に詰めれば、豪華な昼食のできあがり。
昨日の夕飯はかなり豪華で、炊飯器には栗ご飯、鍋の中にはミネストローネと、これまた俺の好物がさらに作られていた。
琥珀曰く、俺と仲直りしたかったからだそうだ。
そういう、子供らしい一面も愛おしい。
保温ボトルにミネストローネも入れる。
(早く食べてぇな…)
昨日食べられなかった分、今日のお昼は存分に楽しもう。
そんなことを考えながら、琥珀にもお弁当を渡す。
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▽▽
戸締り良し、スマホ良し、イヤホン良し、パソコンとペンも良し。
心の中で忘れ物が無いかチェックする。
(忘れ物なし!)
ちゅっ、と響くリップ音。
口を離した後も、愛おしそうに俺を見つめている。
たった1日しなかっただけなのに、久しぶりに感じて頰が赤くなる。
(でも…キス、嬉しい…)
触れただけのキスなのに、幸せを感じる。
その気持ちが伝わったのか、再度キスをしてくれた。
あぁ、幸せだ。
些細なことだって、忘れないように思い出にしよう。
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▽▽
ガチャッ__
扉を開けば、冷たい風が当たる。
(寒い…)
マフラーに口元を埋めれば、琥珀が手を差し伸べてくれた。
琥珀のコートに手を入れ、手を繋ぐ。
昨日とは違う、暖かい手先。
(あぁ…やっぱこれが好き…)
もっと琥珀の暖かさを感じたくて近づけば、嬉しそうに笑ってくれた。
案外周りは気づかないもので、気付いたとしても、寒くてちっこい奴が手を突っ込んでいるんだな、くらいにしか思われていないだろう。
最初は恥ずかしかった手繋ぎだって、慣れた。
(慣れってすげぇな〜…)
そんなことを思いながら琥珀の肩に頭をくっ付ける。
▽▽
いつもの道を歩けば、お店や家が可愛いらしく飾り付けされていた。
(あと少しでクリスマスかぁ…)
1月には、フランスへ行く琥珀。
だから今年のクリスマスが、琥珀が留学する前の最後のイベントになるだろう。
(何プレゼントしようかな…)
クリスマスと言えば、プレゼント。
フランスでも、使ってもらえるようなプレゼントを贈りたい。
(まぁ…そりゃそうか)
恋人から貰うものなら、なんでも嬉しいだろう。
でも、そうじゃなくて…言い表すことはできないけれど、俺は今の琥珀に"ぴったりな物"を贈りたいのだ。
悩んでいる中、琥珀の言葉に顔を上げる。
手のひらをポケットの中でなぞられる。
そのまま恋人繋ぎでギュッと握ったり、触れたりを繰り返された。
(これっ…えっちしてる時の触り方…っ♡♡)
意識し熱を持つ身体。
(ここ…外なのに…っ)
幸い、周りに人がいなかったので、俺の声を聞かれることはない。
それを良いことに、まだ触り続けている。
1週間以上、そういうことができていない身体は、少しの刺激でも感じてしまう。
(これ…だめ…♡♡)
堪らず抱きつき、顔を埋める。
我慢できずにおねだりすれば、手を引かれ、街を歩く。
キスしか出来なかった1週間。
1人でするのも我慢した身体は、更に熱を持つ。
向かった先は、ホテル。
時間を忘れて、気持ちよくなりたい__
▽▽
(声…止まんない…っ♡♡♡)
久しぶりに感じる琥珀の体温と、肌。
対面座位の深さに腰を浮かせば、胸を触られた。
ちゅ…ちゅと首筋に何度もキスをされる。
時折吸われ、跡が付いているだろう。
琥珀に負けじと首筋を吸えば、上手ですと優しく頭を撫でられた。
(ぁ…琥珀のちょっと大っきくなった…♡♡)
中で感じた琥珀の大きさに、無意識に中を締め付けてしまう。
そのままゆっくり腰を動かせば、それに合わせるように琥珀に腰を打ちつけられた。
舌を入れてキスをする。
息が出来ないギリギリまで、舌を絡ませて、求め合う。
ぱんっ!♡♡ぱんっ!♡♡ぱんっ!♡♡
奥へ出そうと激しくなる琥珀の動き。
(ホテルのゴム…破れちゃう…っ♡♡♡)
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▽▽
ホテルのお風呂の中で、身体を休める。
久しぶりの行為に腰が痛む。
(午前の授業行かずにホテルとか…なかなかヤバいな…)
久しぶりの琥珀を求めまくった俺も同罪だけれども。
(でもまぁ…)
ちゅぅっ♡♡
琥珀にキスをする。
この愛おしい彼と過ごす時間は、何よりも大切だ__
こはこた喧嘩仲直り編終わりました〜!!
最後はいちゃいちゃえちちで締めることができて満足です〜!!
そして、次回からは最終回カウントダウンふぅひなになります。
気づけばあと数話で200話…!!
頑張れば今月中か、来年の1月には完結しそうです!!
是非ご覧下さい〜!!
いいね、お気に入り登録、コメントありがとうございます〜!!
次回もお越しください〜!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。