ドアを開けたらひらひらの服着て赤面してるひなさん。
驚いたけど、見た瞬間可愛いって思った。
▽▽
「えっと〜……ひなさん?この状況は…?」
まずは説明を聞かなければ。可愛いけど我慢しろ…俺。
「えっとね……文化祭で着るの……料理サークルの出し物の時に…」
「………はい?」
「驚いちゃうよねっ……でも皆可愛いからって天毬君と2人で着るの…」
なんてこと考えてるんだ料理サークルの皆は。
ひなさんが可愛いのは当たり前、でもこんなに可愛い姿見たら襲われる可能性大だ。
「ん〜、俺はひなさんが可愛いすぎて誰かに襲われるかもしれないのが心配なんだけど〜?」
「!?襲われる…!?」
「ひなさんは可愛すぎるから〜。っと言うか、俺ら料理サークルに頼まれて動物のカチューシャ作り手伝ってるんだけど〜。てっきりそれ被って接客と思ったのに〜」
俺は手芸サークルに入っていて、料理サークルから文化祭で使うからとカチューシャ作りを頼まれていた。でも2つだけ。キツネとウサギのカチューシャだ。ひなさんが被るのかな…とか思って呑気に作っていたのに。
「あ、それは秋季君と春兎君が被る予定だよ」
「え〜?あの2人が?」
まさかあの2人が被って接客するとは…。
「こんな不思議な格好ばかりするから、不思議の国の喫茶店って名前になっちゃった…」
「ほんと不思議すぎて俺どうしよう〜」
もちろんこの可愛い服を着て接客してくれるのは嬉しい、けど他の人にもするって思うと妬いてしまう。
どうしようかと考えていた時、ひなさんがスッと立ち上がる。
「ね、ねぇふぅ〜くんっ…接客するのは多分…もうやるしかないから…申し訳ないんだけど……」
「ん〜?」
「えっと…僕、…かっ……可愛い…?」
ひらりと回って、赤面しながら俺に問う。
「〜っ、可愛いすぎるから困ってんの〜!」
ギューッっと雛を抱きしめてキスをする。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。