少し暑くなって、外の風が心地よく感じる季節。
早足で向かうのはつぐみの楽しみな場所。
ガラッ__
(沙鶯いたっ…)
サークルの教室にいる沙鶯に言う言葉は決まっている。
つぐみの言葉に答えてくれる。それだけでも嬉しくて…
いつも告白をしてしまう。
何回告白しただろうか…。
好き。大好き。側にいてもいいですか?
頑張って告白しても気持ちには答えてくれない。
(あぁ、まただ…)
こたさんのことが好き。
その言葉が来ることは分かっている。
何回も聞いたけど、その言葉を聞くだけでも心が苦しくなり、怖くて目をぎゅっと瞑ってしまう。
ぽんぽん、いつものように頭を撫でてくれる。
けどいつもとは違う。
優しく頰を触られた。
どんどん顔が熱くなるのが分かる。
つぐみが恥ずかしいことに弱いこと知ってるのに。
そんなこと好きな人にされたらドキドキしてもっと顔が赤くなっちゃう。
ハッと自分がしたことに気づいた沙鶯が手を引く。
沙鶯のことが好きで好きで堪らないからそんなことされたら期待してしまう。
つぐみの気持ち、少しでも伝わってるのかな…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▽▽
自然につぐみさんの頰を触っていた自分に驚く。
顔を上げた時に頰を染める姿は"可愛い"と思った。
毎日懲りずに告白してくるつぐみさんは真剣な顔をしている。
俺はこたさんのこと好きって言ってるのにちゃんとした告白は一回しかしていない。
告白される分俺は断らないといけないけれど、目を瞑り断られるのを身構える姿は見ているこちらも苦しくなる。
(もし…つぐみさんが俺のこと諦めて他の人に告白してたら…?)
……嫌だ。誰かに取られるのは嫌なのだ。
今は誰も知らない未来まであと70日__
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▽▽
歩くとジワジワと汗が出る梅雨前。
トコトコと道を歩きながら考え事をする。
気づけば6月。
沙鶯と再会してから60回以上も告白していることに気がついた。
(最近はこたさんが〜って言わなくなったけれど、きっとこたのことが好きなんだろうな…)
こたが羨ましい。いつも思う。
こたにはあって、つぐみにはないもの…。
…もし、つぐみがこたみたいだったら恋人になれてたのかな…。
つぐみはの恋はいつ叶いますか?来年?卒業後?それとも…10年後?
それでもつぐみはあきらめません。
いつか…
コツ__
意気込んで声を出した時、足音が聞こえた気がした。
後ろを振り向いても誰もいない。
(気のせいかな)
あの時…ちゃんと話しておけば良かった__
今はまだ誰も知らない未来まであと少し__
ジワジワと迫ってきてます…ジワジワです。
次回のさおつぐで救出編始まります。
次回は100話カウントダウンです〜!!100話までの3話はふぅひなにします〜!!
最後は何を書こうか…と迷っています。
⚪︎雛の過去(保育の道に行った理由)
⚪︎付き合って1年記念お祝いストーリー
⚪︎楓馬の目標
雛の過去は一話で書けるとして、残りの二つはどちらかを書こうかと思っています。
どちらがいいか教えてくださると嬉しいです。
いいね、お気に入り登録、コメントありがとうございます!!
次回もお越しください〜!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。