9月の下旬頃から10月の2日までふぅ〜君のプレゼントを色々考えたが、1番良いと思うものが結局見つからなかった。
夜は僕が誕生日用の料理を作る予定だけど、プレゼントが決まらない。
「あれ〜?雛さんだ」
「あっ、雨月君!」
お昼ご飯を食べながら悩んでいた時、雨月君が話しかけてくれた。
雨月とは相談を乗ってからとても仲良くなって、今ではお休みの日に遊んだりする仲になった。
「今日は何か悩みごとですか?」
「うん〜っ、ふぅ〜君のプレゼントのことで…」
「あ〜、今度誕生日ですもんねぇ」
「そうそう、なかなか決まらなくて……雨月君は晴向君の誕生日の時どうした?」
「俺はですね〜」
「首にリボン結んでプレゼントは俺〜って抱きしめました」
耳元で囁いた後、ニコッっと笑う。
「!?」
千景さんと同じことを言って、まさか実行してるとは思わなくてびっくりしてしまった。
リボンをつけて…プレゼントは僕。恥ずかしいけど、ふぅ〜君なら喜んでくれる…かな?
「あはっ、顔赤い〜」
「他の人にも同じこと言われててっ…まさか雨月君もしてたなんてっ…」
「晴向すっごい照れてたけど沢山気持ちよくしてくれましたよ?」
「〜っ!!」
「ん〜、恥ずかしいですか?…なら今日一緒にプレゼント探しにお買い物しません?久しぶりに雛さんと遊びたいです〜」
「っ!いいの?」
「いいですよ〜、じゃあ6時にホールで待ってます〜」
「了解っ」
久しぶりに雨月君とお買い物するから楽しみだ。
(ふぅ〜君に今日は帰れないって連絡しなきゃっ……ふぅ〜君にバレなきゃいいけどっ)
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バキッ
どうしてタイミングが悪くなるんだろうか。
「楓馬ぁ……はし…箸折れてるぞ…」
イケメン怖い、もう嫌と鈴木が横で嘆いているが、それどころじゃない。
お昼ご飯を食べている時、テラスでひなさんと雨月が一緒にご飯を食べていた。そこまではいいの。でも突然耳元で何か言った途端ひなさん顔真っ赤にするから気になるじゃん…。
ピコンッ
モヤモヤとしていた時、ひなさんからチャットがきた。
⚪︎おつかれさま!今日雨月君と用事があるから帰れなくなりました……ごめんね、明日は絶対一緒に帰ろうね⚪︎
…あぁ、最悪だ。
「……イケメン怖ぃ…っておいおい!?スマホは折るなよ!?」
スマホを潰す勢いで握りしめた俺の姿を見て鈴木が必死に止めてくれた。
「モヤモヤする〜!!」
「俺だってイケメンが周りにいすぎてイライラするわ馬鹿たれ」
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「ひなさんこっち〜」
「あっ、雨月君おつかれさま!」
「じゃあ行きましょうか〜」
大学の帰り、色々なお店を回ってふぅ〜君のプレゼントを見た。
その中で1番いいなって思ったのが、ふぅ〜君色の青いくまのぬいぐるみ。
「これっ、可愛い…!」
「ほんとだ〜、いいですね」
「あっ、このくまリボン付いてる…」
あ…
リボン…
「…リボン意識しちゃいました〜?」
「〜!?」
「あははっ、やっぱり〜。リボン一応買っときます?くまのぬいぐるみとお揃いですよ?」
「ううっ…」
……結局買ってしまった。黄色のリボン。
首に蝶々結びで結んで…それからプレゼントは僕…。
(〜っ!!)
考えるだけでも恥ずかしい……けどふぅ〜が喜んでくれるのが一番嬉しいから。
…やってみよう。
楓馬のモヤモヤが幸せに変わるまであと少し。
今日は!!楓馬の誕生日です!!!!
天使の日に生まれたのに狼になっちゃいました!!!!ですがひな思いのいい子です!!
祝ってあげてください〜!!!!
誕生日には間に合いませんでしたが、楓馬の誕生日ネタ書き終えます!!!!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!