「っふぅ〜君!?お店忙しいんじゃないの…!?」
ひなさんが驚きながら言う。というのも、文化祭の準備の時、自分達のお店が忙しくなりそうでひなさんのお店にはいけるか分からないと言っていたのだ。
それで油断していたのだろう。恥ずかしいのと驚きで固まってしまっている。
「ひなさんの噂凄いからきちゃった〜……ねぇ、俺にもお茶用意してくれますか?」
「〜っ、…分かりました、用意します…っ」
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「どうぞっ」
持ってこられたケーキとコーヒーはとても美味しそうだ。
「ケーキは僕が作ったんだよっ、ふぅ〜君が気に入ってくれると嬉しいけど…」
「コーヒーは俺の大切な方の特性ブレンドなんよ、絶対美味しいけんっ」
自慢げに言うこの方は天毬さん。ひなさんの親友だ。
今回の喫茶店では、ひなさんと天毬さんの2人がメイド服を着ている。この2人のどちらかにメニューやらケーキやらを持ってきてもらった人は幸運になるとかおかしな噂も流れていた。
「おぉ〜、美味しそう。じゃあいただきます〜」
パクっと一口頬張る。
「ん、美味しい〜ケーキもコーヒーもどっちも美味しいです〜!」
「っ!良かった…!」
「っ」
危ない。ひなさんの喜ぶ笑顔を見てこのまま抱きしめてキスしそうになった。
…意識し始めると考えてしまう。この服装でこないだヤったことを。
「ふぅ〜君?」
「…ひなさん」
(こないだこの服装でヤったこと思い出しちゃった)
コソッと耳元で伝える。
「〜っ!?」
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(ひなは楓馬君と楽しんでる…いいなぁ……俺も)
叶紬に会いたいな…とか。
トントンッ
誰かに肩を叩かれる
「…天毬さん…ですよね…??」
「〜っ!!かなたぁっ!」
「わっ」
嬉しすぎてギューッっと抱きついてしまった。
そのお話しはまた今度。
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▽▽
〜文化祭1日目終了後〜
「ひなさんすっごい可愛いかった〜」
「それはそれは…」
「写真も撮ったんだよ〜ほら」
撮った写真を鈴木に見せつける。
「あ、ほんとだ。めっちゃ可愛いな」
「でしょ〜まぁ当たり前なんだけど〜」
「どうぞこれからも仲良くなー…っと、お待ちかねの雛さんだぞ。んじゃ俺帰るわ」
ひらひらと手を振って帰る鈴木は気配りができて本当にいい奴だ。
……男に狙われてることは内緒にしとこう。
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「あっ、ふぅ〜君っ!」
「ひなさん、おつかれさまです〜」
「えへへっ…たくさん人来てびっくりしたよ…」
「そりゃあひなさんすっごい可愛かったもん〜」
「っ〜!…あ…ふぅ〜君……ちょっと来て」
キュッと服の裾を握られって引っ張られる。
やって来たのは人気のない角の教室。
「ひなさん?どうしたの…っ!」
チュっとひなさんがキスをした。
「んっ……えへへ、お店であった時からキスしたくて…っ」
「……も〜可愛いすぎ〜、俺もずっと我慢してたんだよ?でもひなさんからしてくれるなんて」
「っ!でも今日はシちゃだめです…!!明日も忙しい、明後日もあるから、文化祭が終わるまでお預け!」
「え〜!!」
「でっ…でもね?……キスならたくさんしてもいいよ…??」
「っあ〜!!可愛いすぎて無理〜!」
ひなさんの愛が沢山伝わってきてたまらなく嬉しい楓馬は、明後日まで頑張って待てるか自信がないようです。
天毬のお話は、物語が始まる場所。で投稿しようかと…!!
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。