第149話

男の子なんです。🔞
780
2021/01/16 08:16


次の日、数人の足音が病室に近づいてくる。





バンッ!!




大きく扉が空いたと同時に、涙を溜めたこたくんと鶇達が入ってきた。
こた
ひなさん…!
昨日の…大丈夫ですか…っ


心配した顔で見つめてきた2人は、僕の傷を見た途端ぼろぼろと涙を流し始めた。

っ!泣かないで?僕は大丈夫だよ
琥珀
本当…学校で事故にあった学生がいるって話が出てて…
沙鶯
それが雛さんだったなんて…
こた
うぅっ…元気で良かった…
うんっ…笑顔の雛さん見れて良かった…


よしよしと優しく頭を撫で2人を落ち着かせる。


琥珀君も沙鶯君も心配してくれて…。


沢山の友達に恵まれて良かった。
心配ありがとう
すぐ学校戻るから、あと少しまっててくれると嬉しいなっ


「はい!」



笑顔で一斉に答えてくれる皆の返事に安心する。



(早く元気にならなくちゃ…!)


そう意気込み、大学への復帰の為に傷の治療に専念した__


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▽▽


事故にあったのも数週間前の話になり、抜糸の日が近づいてきた頃__

ん…


ゆっくり背伸びをし、約2週間ぶりの大学への準備をする。


無事退院し、不自由ながらもふぅ〜君に手伝ってもらいながら過ごしていた。


単位が心配だったけれど、学校側が出席停止扱いにしてくれていたから、そこの面では安心できそうだ。






…けど、僕には1つ不満ができました。






すやすやとソファで寝ているふぅ〜君を見てむっとする。


今日も…シてくれない



そうです…







ふぅ〜君が、えっちしてくれないんです。


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▽▽



(確かに…怪我はしてるけど…)



だからって、キスだけで止まるなんて…。


たりないよ…


この間だって、深いキスになったから期待してたのに、ハグして終わっちゃったし…。


ふぅ〜君は僕の怪我を気にしてくれている。
きっと腕に負担がかかるからとか思ってるんだろう。
でも…対面座位…とか、痛くないのに…


週に2、3回身体を重ねていたのに、今では実質禁欲状態。


身体はふぅ〜君を求めるばかり。

…僕だって男だから性欲あるもん…


気持ちいいことがしたくて堪らない。
いつもみたいに胸触ってもらって、挿れてもらいたい。


だから、僕から頑張ってお誘いしよう。


まずは、自分だけで作戦会議だ__


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▽▽


久しぶりの大学は大変だった。
友達からの大量の質問に答え、遅れてしまった講義を先生に聞きに行き、気づけば19時を過ぎていた。

こんなに学校にいたの…初めて…


家が駅近で良かったと改めて感じる日だ。


疲れた身体をぽんぽんと叩きながらアパートの階段を登る。



ただいま〜…
楓馬
あ、おかえりなさい〜


ドアを開けるとふぅ〜君の優しい声と食事の美味しそうな匂いが部屋に広がる。



(いい匂い…)

楓馬
今日はクリームシチューです〜。それに合うパンも買ってきましたよ
〜っ♡


エプロン姿で駆け寄るふぅ〜君に胸がきゅんとする。



(これが噂のスパダリ…っ)



家事もできて気遣いができる優しいふぅ〜君。
スパダリって言ってもまだ旦那さんじゃないけど、僕にとってはもう旦那さんだ。

僕も今から手伝うね!


急いでカバンとコートを脱ぎ、手を洗いに洗面所へ行くと、ぎゅっと後ろから抱きしめられた。

楓馬
今日もお疲れ様です
ん…♡


頸と頰にキスされてから、ふぅ〜君が手に泡を取り、僕の片手を優しく洗い始める。

手まで洗ってもらうのは申し訳ないよ…!
楓馬
ううん、俺がやりたいの〜
ひぅっ…♡


指の隙間をぎゅっと握られながら洗われる度、声が漏れる。



(この触り方っ…シてる時と似てる…っ)



優しく握られ、手のひらをそっと触られる様子は、えっちしている時と同じ。



(シてる時、思い出しちゃう…!)



最中の様子を思い出し、段々と顔が赤くなっていく。

〜っ…これっ…だめ…♡
楓馬
もしかして、思い出しちゃった?
〜っ♡


泡を水で流している最中、耳元で囁かれる。


だっ…て…、ふぅ〜君がそういう触り方したからっ…♡
楓馬
〜っ、可愛い…
んぅ♡


軽いキスをされ、抱きしめられる。

楓馬
すみません、久しぶりに赤面顔見たくて…


少し顔を赤くし説明するふぅ〜君。


ふぅ〜君も、僕の為に我慢してくれてるんだ。
けど、今日はふぅ〜君から僕を求めてきてくれた。



(もしかしたら、今日えっちできるかも…っ)



ふぅ〜君の優しさに気づき、ハグに応えようとした時…
楓馬
よし。手も綺麗になったし、ご飯食べましょうか


ぱっと離され、ふぅ〜君がキッチンへと戻ろうとする。

えっ…?


予想外の行動に、思わず声が漏れた。



(いっ…今の期待してたのに…!)



ふぅ〜君からあの行動してたのに、何もなかったかのように戻るなんて…!!


じゃあ、さっきのキスは何?


さっきの期待するような触り方は?


赤面する顔が見たかったって何だったの…!!
もう、我慢できない…!!


本当は、傷は痛くないから大丈夫っておねだりしてえっちしようと思ってたけれど、作戦変更。


突撃だ。



(僕だって怒るもん…!!)





バンッ!!




大きな音を立てて扉を開けて、驚くふぅ〜君を引っ張りソファに押し倒す。


楓馬
わっ…!えっ?ひなさん…!?


驚いているふぅ〜君を見つめながらソファに倒れたふぅ〜君の上に乗る。
…さっきの
楓馬
え?
さっきの、期待させるような態度はなんですか…!
えっちしてる時みたいな触り方して、自分だけ満足して…!
楓馬
ちょっ!?落ち着いて下さい…!?
落ち着きません!
言い訳する口に黙ってもらいます…!
楓馬
んぐっ…!?
んっ!♡♡ちゅ♡♡んぅ♡♡…んんっ♡♡


頑張って舌を入れてキスをし、何も喋ることができないように口を塞ぐ。

っふ♡♡…はっ…んぅ♡♡んっ♡♡ちゅぅ…♡♡
楓馬
はっ…ひな…さ…ん!?


ぐっと顔を離さないように腕で頭に抱きつき、そのままキスを続ける。

んぅ"♡♡ぷはっ…♡♡…はーっ…


息を整え、下を向くとズボン越しに勃っているのがわかる。



(ふぅ〜君だって…キスだけで勃ってるのに…)



ふぅ〜君、勃ってる…
楓馬
そりゃぁ…ひなさんからキスしてくるから…
えっちしてくれなかったのに
楓馬
だって怪我が心配だから…
何週間も経ってるのに?
楓馬
はい…
じゃあなんで誘うような触り方してきたの?
楓馬
…ひなさんのエロい顔見て、後で1人で抜こうかと思って…
目の前に本人がいるのに…!
楓馬
っ!ひなひゃん?


片手で頰を引っ張り、ふぅ〜君の言葉にむぅっと頰を膨らます。

僕だって気持ちいいことしたいんだよ…?
僕だって男だよ?性欲だってある
ふぅ〜君に挿れてほしくて堪らないのに…!それなのにあんな期待させるようなことして…!
僕だってえっちしたいもん!!


静かな部屋に、大きな声が響く。


それから数秒後、目を見開きびっくりしていたふぅ〜君が、ゆっくり起き上がり、僕をソファに優しく押し倒した。

楓馬
ずっと我慢してたのに…
んっ♡♡ぁぅ♡♡…っふ♡♡


服の中に手を入れ、胸を触りだす。

楓馬
ひなさんからの誘いじゃ、断れないなぁ…
っ!


バサッと上の服を脱ぎ、上に覆い被さってくる。


楓馬
我慢させてごめんなさい
楓馬
その分、今日は気持ちいいことしましょうね?


そう、その言葉を待っていた。


期待する身体は熱を持ち出し、まだかまだかと中が疼く。


早く…♡♡


久しぶりにふぅ〜君と気持ちいいことできる__


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▽▽


〜っぁん♡♡は…ひぅ"♡♡…ぁ"っ♡♡
楓馬
中、だいぶ柔らかくなった…
楓馬
久しぶりだから締め付け強いですね?
ん"ん"っ♡♡


ぐりぐりと指で中を突かれ、声が漏れる。



(気持ちいい…♡♡)



久しぶりの快感が治まることなく、身体中を覆う。

も…いいからぁ♡♡ぁっ♡♡早く中いれて♡♡♡
楓馬
〜っ…ほんと…誘い上手だ…っ
ん"っ♡♡ちゅ♡♡んぅ"♡♡ん♡♡


舌を入れてキスをされる。
さっき僕がしたキスとは違う、気持ちいいキス。

楓馬
っは…腕、痛かったらすぐ言ってくださいね?
うんっ♡♡
楓馬
じゃあ…ゆっくり腰下ろして?
ぁ"っ♡♡ぁ"ぁ"っ♡♡〜っ♡♡♡


ずぷ…♡♡


腕に負担がかからないように、対面座位で挿入していく。



(久しぶりの…ふぅ〜君のだ…♡♡♡)



奥まで入ってくるふぅ〜君のをきゅうきゅうと締め付けると、はっと息を吐き余裕のない顔で見つめてきた。

楓馬
俺もかなり余裕ないんですけど…!
ひぅ"っ♡♡♡


たんっ♡♡たんっ♡♡たんっ♡♡


だんだん早くなる動き。

ぁっ♡♡あっ♡♡…はぅ♡♡ぁんっ♡♡


気持ちいい、気持ちいい。


もっと…もっと…♡♡♡
ぁっ♡♡ふぅ…くん♡♡♡


ぎゅうっと抱きつき、耳元で囁く。


もっと、もーっと、気持ちよくしてください…♡♡♡
楓馬
〜っ!!


僕のおねだり。


ふぅ〜君が大好きだから、もっとほしいって思う。

ぁっ♡♡大っきくなった…♡♡
楓馬
可愛すぎ…
えへへ♡♡
楓馬
じゃあこの続きは、ベットで
うん…♡♡


ふぅ〜君だから、求めたくなるんだよ__


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▽▽

楓馬
ぅ"っ…太ももが…
ふふ…久しぶりだから僕も痛いや…


あの後、何回も求めあって後のことをすっかり忘れていた。


久しぶりの行為だから、その分筋肉痛が酷い。


けど、これも幸せの証。


ねぇふぅ〜君
楓馬
ん〜?
怪我が治ったら、もっと激しくしてくれる?


ふぅ〜君の隣で呟く。

楓馬
〜っ…もちろん
楓馬
でも無茶はダメですからね?
はいっ


ふぅ〜君が僕のことを気にかけて過ごしてくれたってことがわかった日だった。



(さっきも、僕の腕を気にしながら動いてくれたし、片付けまでしてくれたし…)



やっぱりふぅ〜君は優しいな、と改めて実感する。


けれど、僕のことを考えて1人で抜こうとしていたなんて…。


妄想の僕に嫉妬したのは、内緒にしておこうかな__


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▽▽*°


雛さんのお見舞いに行った帰り道。


雛さん…早く良くなるといいな…
沙鶯
そうだね。でも凄いよ、子供を庇って飛び出すなんて…
それ程子供が好きなんだよね…っ


事故の状況を聞いた時、驚いた。


…もし、つぐみそういう状況だったらどうするかな。


好きな人が事故に遭うなんて怖い。




ぎゅっと沙鶯の服を握る。


沙鶯
ん?つぐ?
…沙鶯が事故にあったらって思ったら怖くて…
沙鶯
…俺もつぐが事故にあったらなんて考えたら怖くて堪らないよ
沙鶯
でも大丈夫。お互いが気をつければ防ぐことができる事故もあるから
…うん
沙鶯
ほら、そんな顔しないの〜
沙鶯
つぐは笑ってる顔が1番可愛いんだから
〜っ!えへへ


にこりと笑うと、優しく頭を撫でてくれた。



それから歩こうと前を向いた時…









「あれ、沙鶯か?」







聞き覚えのない声が後ろから聞こえた。




沙鶯
えっ、兄貴…?


沙鶯と雰囲気は似ているけど、顔立ちは沙鶯より大人っぽい。


沙鶯
県外にいるんじゃなかったの?


「あぁ、今日はちょっと仕事で戻ってきたんだ、あとはちょっと研究」

沙鶯
研究…?


「あぁ、冬の花のね。俺が手伝いしている花屋によく来る人が冬の花のおすすめを聞いてきてな、他の花屋では何売ってんのかなって思って」

沙鶯
あぁ、そういうこと


2人が話す姿を見てきょろきょろとする。


その様子に気が付いたのか、沙鶯のお兄さんがこちらへ近づいてきた。












 



今回はとっても長かったです〜!!ふぅひな!!無事終わりました!!
何週間も我慢した雛、ついに襲いにかかる雛。長くお話しが書けて楽しかったです。

そして次回はさおつぐ!!です!!えちえちも入れます〜!!

そして沙鶯兄〜!!この会話だけで沙鶯兄にピンときた方はこの作品の猛者です…凄い!
また沙鶯兄についても書きたいです〜!!

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次回もお越しください〜!!

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