あー気まずいわー
あー帰りたくないわー
どうしましょ。
めっちゃ帰りたくないわー
とぼとぼ歩いていると、後から私の名前を呼ぶ声が
既に午後9時を超えていた。
普通は高校生が外を出歩く時間じゃない。
え!?テテ、今私のこと女の子って(笑)
初めて言われたわ~
テテはその場にぐったりと座り込んだ。
テテは立ち上がり、私の髪をぐしゃぐしゃにした。
家の扉を開けると、パンツ一丁の父さんが廊下を歩いていた。
リビングの行くと、落ち着きがなくうろちょろしてる兄ちゃんがいた。
1回物陰に隠れて様子を伺ってみた。
兄ちゃんは電源の切れた私の携帯に何回も電話をかけようとしていた。
そのうち、頬には大粒の涙が流れ始めた。
兄ちゃん...
そんなに私を心配してくれてるのね...。
血は繋がってないけど
そろそろ可哀想になってきたから、飛び出てやろう!
兄ちゃんはしばらくフリーズした。
私の手を掴み、兄ちゃんは子犬みたいにキャッキャと喜んだ。
やっぱり兄ちゃんのことは嫌いになれない...!!
その日は大人しく寝たのであった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。