任務が終わり、
事務所に戻ったのはすっかり夜だった。
シャワーを借り、制服に着替え直すと、
疲れが一気に押し寄せる。
ソファに沈み込んだまま、
天井をぼんやり見つめた。
小さくつぶやいた声は、
自分でも驚くほど弱い。
誰もいないフロアに、
風がゆっくり通り抜ける。
窓の隙間から入り込んだ夜気が、
髪をそっと揺らした。
ヒーローになりたいのか。
ホークスさんの隣にいたいのか。
どっちが先なのか、もうわかんないや
ずっと、そこから目をそらしてきた。
“推し”という便利な言葉で、
ごちゃごちゃの感情をまとめてきた。
でも、
今日みたいな現場に立つと、
誤魔化しきれなくなる。
ヴィランの前で震えた膝を、
風で誤魔化しながら、
それでも一歩踏み出せたのは。
「頼りにしてる」
と言ってもらいたかったからだ。
胸の奥が、痛いくらい熱い。
ようやく、はっきり言葉にした。
口に出した瞬間、涙が出るかと思った。
けれど、
意外にも目は乾いたままだった。
その代わり、
胸のざわつきが少しずつ静まっていく。
ヒーローとして、
どうなりたいかもちゃんと考えなきゃだけど
頭の中に、相澤の顔が浮かぶ。
雄英で過ごした、
うるさいけれど守られていた日常も。
言葉が喉で止まる。
やっと認めた。
ヒーローとして成長したい。
でもそれと同じくらい、
この人の力になりたいと
思ってしまっている。
自嘲気味に笑って、ソファから起き上がる。
あの夜、屋上で言われたことを思い出す。
“インターン終わるまでにさ。
もしまだ俺のことが“推し以上”だったら、
その時はちゃんと聞かせてよ”
自分にそう言い聞かせると、
風の感触が少しだけ澄んだ気がした。
短いですごめんなさい
新作出してるのでこちらを読んでお待ち下さい✨
爆豪勝己
ちなみに大人かっちゃん24歳設定です🫶🏿
最近⬆️ばっかり進めてます笑
こっちスランプ気味ですが、頑張ります❗️❗️












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!