(あの人が…立海の部長)

(あの感じ…分かる。テニスを出来ず、全てを諦めたような…。そんな感じ。)

(お父さんの患者さんにもこういう人が…いた。)

あの…。私を幸村さんのところに行かせてください。

お父さんの患者さんでよく見るんです。
あのような表情をする方。
私なら…少しはお手伝い出来ると思います。…お願いします！

…はい！

赤也くんのはとこの奥村いづみ、と言います。父がスポーツドクターをしています。

突然ですみません。
…幸村さん、あなたはテニスをすることを諦めていませんか？

諦めるのはダメです！

私は他校の生徒です。
そんな部外者がこんなこと言うなんて、失礼だとは分かっています。
ですが…立海のレギュラーの皆さんは、皆、「幸村部長」との約束を果たす。と、言っていました。

「幸村が帰ってきた時に、安心出来るように」って。みんな、貴方のことを大切に思っています。

私の父の…。
奥村俊樹の治療を受けて頂けませんか？？

「治せない病気なんてない。」
父はいつもそう言っています。
必ず治す方法はあります！

ですが、その前に本人が諦めてしまったら、治る病気も治るはずなんてないんです！

父の名刺…、ここに置いておきますね。

今日はいきなり…すみませんでした。

もしもし？お父さん？

…うん。

ご、ゴメンね。連絡してなくて。

幸村さん、なんて？

本当！？

お父さん、お願い！
赤也くんの大切な先輩なの！！
治療を引き受けてくれないかな？！

っ…ありがとう！

…うん！

うん、また。

(っ…赤也くんに伝えないと！！)

赤也くん！！
いる？！

幸村さんが、お父さんの治療を受けるって…。連絡が来たの。

関東大会…明後日が第3試合だよね。

お互い、頑張ろうね。