第32話

立海大附属⑤
1,527
2019/04/08 04:31
次の日の朝ーー。




私はお菓子がたくさん入っているバスケットを持ち、立海大附属中の門の前で立ち尽くしていた。
奥村いづみ
(…前は結局入っちゃったけど、
まだ入るのはためらいがあるな…。)
頭の中に浮かぶのは忍足さんの言葉…。

「スパイ」だと言われた時のあの気持ちはまだ心に深く残っている。
奥村いづみ
(まだ、忍足さんとは仲直り出来てないし…。)
私が「はぁ…。」とため息を着いた時、肩をポンポンと、叩かれる感覚があった。
奥村いづみ
きゃ!?

後ろを向くと、そこには…














仁王雅治
仁王雅治
ピヨッ
奥村いづみ
仁王さん…?
奥村いづみ
(…っていうか、「ピヨッ」って?)
仁王雅治
仁王雅治
何立ち尽くしているんじゃ?
さっさと入ればいいものを。
奥村いづみ
そ、そうですよね…。
仁王雅治
仁王雅治
道を忘れたんなら案内するきに。
仁王雅治
仁王雅治
着いてきんしゃい。
奥村いづみ
は、はい!
決して場所を忘れた訳ではなかったけれど、
そこには触れずに私はあとを着いて行った。










テニスコートに着くと、そこでは素振りをしている部員達の姿があった。


レギュラーたちはその近くのベンチで柳さんの話を聞いているようだった。
真田弦一郎
真田弦一郎
む…。仁王、どこへ行っていたのだ。
練習を怠るなどたるんどる!!
仁王雅治
仁王雅治
まあそんな怒りなさんな。
コイツを連れて来ただけじゃ。
奥村いづみ
こんにちは。お疲れ様です。
切原赤也
切原赤也
いづみ!
丸井ブン太
丸井ブン太
奥村じゃねーか!
もしかして…!!
奥村いづみ
はい。この前言っていたお菓子を持ってきました。
丸井/切原
よっしゃあ!!
私は持っていたバスケットをベンチの上に置き、
中身を広げる。
丸井ブン太
丸井ブン太
シュークリーム、アップルパイ、シフォンケーキ、クッキー、マカロンまである!!!
柳生比呂士
柳生比呂士
まるでプロのパティシエのようですね…!高級ホテルなどにありそうなクオリティです。
柳蓮二
柳蓮二
これは…見事なものだ。
奥村いづみ
ひとつひとつラッピングしてあるので、食べたい種類のものを取ってもらって構いませんよ。
切原赤也
切原赤也
よっしゃあ!!!!





゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+




丸井ブン太
丸井ブン太
美味い!
仁王雅治
仁王雅治
これは…
柳生比呂士
柳生比呂士
とても美味しいですね。仁王くん。
真田弦一郎
真田弦一郎
うむ。たまらん美味さだな。
切原赤也
切原赤也
……。
なあ、いづみ。
奥村いづみ
赤也くんどうかした?
…もしかして口に合わなかった?
切原赤也
切原赤也
いや、これ自体はめっちゃ美味い!!
…だから、幸村部長にも食べて欲しいなって…思って。
柳蓮二
柳蓮二
…そうだな。
奥村、これを友人に渡してもいいだろうか。
奥村いづみ
私は構いませんよ。
柳蓮二
柳蓮二
弦一郎。今日の見舞いの時に持って行って、精市に渡すのはどうだろうか。
真田弦一郎
真田弦一郎
ああ。幸村も美味い菓子を食べれば少しは元気が出るだろう。
切原赤也
切原赤也
それじゃあ、今日の練習終わったら行きましょう!!
柳生比呂士
柳生比呂士
そうですね。奥村さん、貴方も来ますか?
奥村いづみ
えっ…。
いいの?(赤也をチラ見)
切原赤也
切原赤也
(`・ω・)bグッ!
奥村いづみ
それじゃあ…私も行きます!
丸井ブン太
丸井ブン太
よーし!そんじゃ、練習頑張りますか!
















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