「これより、関東大会第1試合、氷帝学園vs青春学園の試合を始めます。両校のメンバーはコートに整列してください。」
いづみが氷帝の方へ視線を向けると、1人の人物と目が合った。
向日さんは驚いた顔でこちらを見ていた。そんな向日さんに気づいた忍足さんも私に気づき、呆気にとられたような表情を見せた。
忍足さんや、向日さん達と出会って連絡先を交換して、2~3回ほど、テニスの練習に付き合ったり、話をしたりして、そこそこ仲が良くなっていた私たちだけど、私は学校のことについては話をしていなかった。
「第1試合D2、青春学園 菊丸・桃城ペア。氷帝学園 忍足・向日ペア。」
菊丸と桃城がネットの前に立つと、向日が2人に話しかけた。
お互いが驚きを隠せないまま試合は始まった。
「ゲームセット ウォンバイ 青学 6-4」
その後、D1は氷帝。S3は無効。S2は青学。S1は氷帝。控えの試合では青学が勝ち、青学の勝利となった。
「両校の選手は並んでください。気をつけ、礼。」
いづみが荷物の片付けをしていると、前から氷帝学園が歩いて来るのが見えた。
いづみはうつむくが、それに向日が気づいた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。