エイジは諦めず、
また私の頬に手を添え
軽く顔を自分に向けて傷を確認しようとする。
本当になんなんだよ
あんなにシカトしてたのに
あんなに冷たくするくせに
ひどい
ひどいよ エイジ
もういいよ
もういいの
私はエイジの手首を両手で掴みどかそうとするが、
呼吸が突然苦しくなり力が出ない。
怖い
思い出すだけで虫唾が走る。
怖い
怖い
怖い
怖い
怖い
どうしよう
どうしよう
どうしよう
どうしよう
どうしよう
どうしよう
どうしよう
パニクってた頭は、
わずか一瞬で、白紙になる。
ピリピリ感じてた頬の痛みも、
今じゃあ無感覚になる。
また君に唇を奪われる。
君のキスはまた
嫌なほど優しくて、
嫌なほど柔らかくて、
嫌なほど暖かくて。
またこうやって同じ過ちを繰り返す様に
君を欲しがってしまう私も
大っっっっっっっっ嫌いだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。