第9話

「みなとside:僕の思い出。」
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2018/06/16 13:12
「昔から私は私。」
《港 あおい》という生き物。
私はある理由からよくからかわれていた。

でも、私自身が好かれたくもないやつから
嫌われたりしようと
別に良いと思っていた。

だって私の世界には私しかいなかったから。
でも中学校にあがってすぐに
転校生がきた。
ゆう
ゆう
香山 優っていいます。
よろしく。
みなと
みなと
かっこいい…
彼は私の思い描く理想の男の子だった。
先生
先生
じゃあ、香山くんは
窓際の一番後ろの
みなと“くん”の後ろに座ってね。
男子A
男子A
かわいそー転校生。
この男なのに女なやつに
好きになられるんじゃねーの。
男子B
男子B
恋の芽生えってか?
それは笑えるわー!
てか、みなとあおいちゃぁぁん
きもっwww
私は…僕は………女の子の格好が好きだ。
可愛い物にお洋服、
それたちは僕の一番好きな物…。
みなと
みなと
好きな物を好きと言って
何が悪い。
思わず口に出ていた。
ゆう
ゆう
かっこいいなみなと“さん”?だっけ。
ゆう
ゆう
それに比べて
人の好きな物をバカにして
お前らって最悪だなー?
からかって楽しいか?
男子B
男子B
だってこいつ
男なのに女みたいなんだぞ?
きもいじゃんか
ゆう
ゆう
そういつやつもいるぞ?
世の中。
お前らって世界についてけず、
置いてかれそー。
男子A
男子A
……っ
ゆう
ゆう
お前らこそ恥ずかしいよな。
初めて男の子をかっこいいと思った。

私は女の子の好きな物が好きなだけで
別に男の子が好きなわけではなかった。


でも彼だけは…
みなと
みなと
(好き…)
てか、こんなかっこいい男の子を
誰が好きにならずにいられるだろうか…。
彼の言葉はとてもかっこ良かったけど
転校初日にクラスのリーダー的な男子に
喧嘩を売ってしまったために、

それからの中学校生活は
楽しいことはなかったのだと思う。
━━中学3年の冬
みなと
みなと
ごめんね。結局…
僕のせいで友達とかできなくって。
ゆう
ゆう
べつにー。
てか友達とか、お前がいるじゃん。
みなと
みなと
僕は…気持ち悪いやつらしいし、
嬉しくないでしょー……
ゆう
ゆう
自分で自分を気持ち悪い言うな。
自信もてよ、お前かわいいぞ?
ゆう
ゆう
てか、高校デビューしないとなー
どうやろうかね
みなと
みなと
ドSキャラとかでいったら。
目立つし好きな人は好きでしょ。
可愛いって不意に言われたもんだから
照れ隠しについに変なことを言ってしまった。

すぐに訂正しようと思ったけど…
ゆう
ゆう
ドSと可愛いものが好きな男子か、
面白いコンビだな。
それで行こう。

もともとSっけあるって言われたこと
あるし…な?

おもしろくなりそうじゃね?
君が僕の言った素直に考えて
受け入れてくれたことが嬉しくて
訂正するのを忘れてしまった。
みなと
みなと
コンビってどうせ
高校で離れるじゃんか
ゆう
ゆう
残念だなぁ?
高校でも俺と一緒だよ。
俺もお前んと一緒のとこ
受験するからなぁ?
ゆう
ゆう
今のちょっとSっぽかった?
みなと
みなと
若干…。でも、Sなめるな
ゆう
ゆう
これは、研究だな
あれからゆうくんは高校でも
Sキャラを貫いている。
みなと
みなと
(少なくともSキャラでライバル少し
減ってるから結果オーライかな?)
まだしばらく、君と笑っていたいから。
よろしくね、僕の相棒。
僕たちが最高のコンビでいられるように。
━━━━高校三年生
みなと
みなと
ね、ゆう。
僕のお願い聞いてくれる?
ゆう
ゆう
“僕”ってお前…
みなと
みなと
僕の最後のお願いだよ。
ゆう
ゆう
いーよ。
聞いてやる。
これが君と僕の最後の物語だから。
最後ぐらい最高の幸せを味わっても
バチはあたらないよね。
みなと
みなと
好きだよ、ゆう。
ずっとずっと。

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