第13話

「みなと先輩の想い。」

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2018/06/18 12:59

すぐる

みなと先輩っ！！！

みなと

はっ！？なんであんたがいるの！？

すぐる

ゆう先輩が教えてくれて…

みなと

あいつ、ほんとに
あんたが大好きね…
なんで私じゃなかったのかなー…

すぐる

先輩……？

みなと

ま、大体ここにあんたがいる理由は
察しがつくけど…。

みなと

そうねー…何から話そうか…

私は男だよ

みなと

私が引っ越すから
２週間限定で
付き合ってもらってたのも事実。

みなと

私がゆうのことを好きなことも。

みなと

ここ、２週間
あんたと先輩が
あんまり出くわさなかったのも
私の仕向けたこと。

すぐる

なんで…
そんなことしたんですか？

みなと

ちょっとした、イタズラよ…

みなと

引っ越しが決まったのは
ちょうど、あんたたちが
お出掛けしてた日だった…。

みなと

もう、ゆうとは会えなくなるから
最後にと思って
あんたとのお出掛けから帰ってきた
ゆうに付き合ってって言ったの。

すぐる

先輩はOKだしたと…？

みなと

いーや。
あいつは変だけど良い男だから。
私のためにも自分のためにも
断ってきたわー…

みなと

でも、ま、ここは
古くからの付き合いだった
私のお願いだから
２週間限定でオッケーしてくれたの。

みなと

んでその際に、
私がゆうにね、
「ゆうが誰かと付き合ってるって
　知ったら、すぐるって子は
　離れていくんじゃない…？」
って言ったわけ。

みなと

あいつ、バカ真面目に信じて
あんたとの関係を見事
こじらせていたわね～～

ざまーみろだわ。

みなと

私がいくら頑張っても
ゆうは多分
好きになってくれないから。

私は男だし。
あいつはあんたのことが好きだし。

引っ越すし。

もうほんと、最悪よ…

そう言ってみなと先輩は綺麗な涙を流していた。

すぐる

…………あっ
先輩、時間じゃないですか？

みなと

そうね。あんたごときに
話しすぎたわ。

そろそろ行かないと…

すぐる

ありがとうございました。
本当に。

みなと

なによっムカつく……っ

みなと

ちなみに言うと、
あいつがドSキャラなのは
私が原因でもあるから、

すぐる

っ？

みなと

まぁ、理由は秘密にしといてあげる。
今度会ったときにね。

すぐる

今度…？

みなと

向こうでファッションで成功して
必ず帰ってくるわっ！！
それまであんたは、
ゆうを離さないようにね。

まっべつに？
別れてくれても構わないんだけど

すぐる

先輩……っ

でもゆう先輩とは最後だったんじゃ？

みなと

あれは…ゆうが好きな私から
ゆうへの最後のお願いだったの…。

みなと

ほんとにそろそろ行く。

みなと

どーぞ、お元気でっ



先輩はそう言って
イタズラが成功した子供のように
にこっと笑って飛行機へと向かっていった。

すぐる

（みなと先輩は
　本当にかっこ良い…。）

それに比べて私は
まだ誰にもなにも伝えられてない…。

すぐる

（行かなきゃ…っ）



私はそう思い、気づけば走り出していた。

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第14話「やっとここから。」

せんり

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。