それから、あれはあれよと
あっという間に放課後の保健委員会。

そんなお茶目な顔で
頑張れ言われたのはこの９年間で
初めてだよ…

七海は帰ってしまったし、
この状況どうしよ…

あれ？全然普通の人だ。

全然優しい人じゃんか！
身構えて損したー

あれ？

満面の笑みで
初対面の人に命令をされたのは
初めてだ……。

七海…香山先輩、
噂よりヤバい人だよ……

常に笑顔なのが
いちいち、言葉にすごみがでる。

やばい、やばいよ。この人。

私はそれから
急いで香山先輩の鞄を取りに行き、
そのまま委員会が始まった。

なんで！？先輩話してる間、
ずっと、こっち見てる…
こわいよーー。
いやまじでやばい。

周りのひとも先輩がみるから
こっち気になって見てくるし……。


てか女子の先輩の視線が
痛いよーーー（泣）

「ね？」という言葉だけで、
「待っとけって言ったよな？待て。」
という意味が一瞬で伝わる。

周りに気づかれず私にだけ分かるその言葉。

みんなが続々と帰っていってるなか、
私と先輩は謎の空気を放ちながら
みんなが帰るまで無言で立っていた。

みんなの前とでたいどが違う…
もともと悪いけど
私の前だとさらにSっけが増してる気が…

先輩から紙袋を受け取って
中身を見る。

このセリフだけなら
少女漫画の男子からのプレゼントを
受けとる、青春のシーンに聞こえるが

「前々からお前のことは
パシり…躾たいなって思ってたから
用意してたんだよ」

という、おろしくSな意味…。
この人頭おかしいよー

そう言うと先輩は私の腕を捕まえ、
さっと首になにかをつける。

《カチャ》

それは私に首輪がかかった音だった。

先輩はそう言いながら、
私の首輪に繋がってる紐を
自分の腕にくくりつけ鍵をかけた。

そう言うと先輩は私の首からも
自分の手からもはずした。

帰るぞって言ったときの先輩は
優しい感じで良いのに…

この、本当に頭がおかしくて
ドSで変態な先輩と
関わるはめになった私はどれだけ不幸か…