第10話

恋の終わりは愛の始まり~story5~
900
2019/10/14 11:44
トミーside
トミー
トミー
カンタ入っていい?
カンタ
カンタ
だめ……グスッ
トミー
トミー
入るよ
強引に部屋に侵入すると、顔を見られたくないのか背を向けたカンタがいた
トミー
トミー
カンタ、最近どーした?なんか悩み事でもあるのか?誰にも言わねーから
出来るだけ優しくカンタに声をかけるがカンタは背を向けたままで鼻のすする音だけが部屋に響く
カンタ
カンタ
なんでもない……
トミー
トミー
なんでもないときに泣くわけねーだろ?俺じゃ不満か?
いつもより頑なに言わないカンタ…カンタの一番の力になってあげたいと思っているのにうまくいかない…
カンタ
カンタ
本当に大丈夫だから…
トミー
トミー
カンタ…お前そうやって溜め込むから爆発するんだぞ?たまには、俺を頼れよ…?
そう言って、カンタの顔を覗き込んでみる、少し赤い鼻に、泣いたせいか少し充血してるがカンタの潤んだ瞳はとても綺麗だと思った
カンタ
カンタ
も…もう…嫌だ…
そう言われた瞬間、どん底に落ちた気分になった…俺は力になってあげたかった、しかしそれがカンタの迷惑だったのかと…
トミー
トミー
ごめん、そんな嫌だったのか…お節介だったな…すまん
俺はそう言い残して、これ以上拒否られたくないと思いと早くここから立ち去りたいという思いを持って、立ち上がってカンタの部屋から立ち去ろうとした
カンタ
カンタ
待っ……!!
部屋から出ようとする俺の服の裾をカンタが掴んできた瞬間、なにかの衝動に駆られ、俺は振り返り、気づけばカンタを強く強く抱きしめていた
カンタ
カンタ
とみぃ……?
上目遣いをしながら、頼りない声で問いかけてくるお前があまりにも愛おしくて
トミー
トミー
お前さぁ…なんなの?
理性が限界になってきている…あまりにも可愛すぎて…するとカンタは控えめに腕を俺の背中にまわしてきた…こういうところだ…
わざと煽ってんのか…
カンタ
カンタ
とみぃ…ごめんね…嫌っていうのはトミーのことじゃないから…えっと……
いっそのこと言ってしまいたい…鈍感すぎるお前に思い知らせてやりたい…頭の中俺だけにさせたい…でも、そうすればお前はきっとすごく困るだろう…
トミー
トミー
俺さ、カンタに嫌われたかと思ったじゃん…俺、お前に嫌われたら生きていけないから…笑
唐突に出てしまった言葉…昔、"お前に嫌われなければ生きていける"と言ったことがある…昔は何も思わなかったのに今ではその言葉を口にするだけで意識してしまう…
でも、俺だけが意識してるだけだと思っていると俺の目の前には顔を真っ赤に染めたカンタがいた
トミー
トミー
カンタ…顔真っ赤…笑
呆然として、耳まで真っ赤にしているカンタに俺はわしゃわしゃと髪がボサボサになるほど頭を撫でた
カンタ
カンタ
ちょっ…トミー頭ボサボサになったじゃん笑
トミー
トミー
ごめんごめん笑
険悪な雰囲気からいつもの俺達のような和やさになった、つかの間、沈黙になった…俺はひなとのことを言うなら今だと思い、決心して口を開いた
トミー
トミー
カンタァ…俺さ、ひなと別れたわ

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